『Five Stars・アメリカ世界遺産5つの謎』制作スタッフの日替わりブログ

Traveler’s High[トラベラーズ・ハイ]

素晴らしかったイエローストーンの撮影
今週の日曜日は
土曜日担当の金子さんが書いてくれましたが、イエローストーン国立公園全面協力のもと、『Five Stars・アメリカ世界遺産5つの謎』の撮影は、本当に素晴らしいものでした。
私たちが『Episode3・イエローストーン編』の撮影に出かけたのは、昨年の7月9日から7月18日の間。国立公園内での撮影は、当然のことながら許可を取らなければなりません。
この許可申請は、かなり前から行わなければならず、また金子さんが昨日のブログにも書いていたように、「内容によっては許可がおりない」ことがよくあるのです。

私たちの『Episode3・イエローストーン編』の撮影は、もしかしたら許可がおりないかもしれない、ギリギリのところでした。なぜなら、私たちがイエローストーンに撮影予定を組んでいたこの時期、実際に近隣の森で山火事が起きていたからです。
山火事が起きると、レンジャーは総出で監視にあたります。しかも7月のこの時期は最も観光客で混雑する時期。レンジャーの手が足りないため、世界中のメディアから申し込まれている撮影申請を、すべて断っているということでした。

ところが……。なぜか、私たちチームだけは、撮影許可がおりたのです。『Five Stars・アメリカ世界遺産5つの謎』が、“自然遺産の保護”がテーマであり、たいへん意義ある内容ということも理由のひとつですが、もうひとつは、アメリカ国内の国立公園をすべて管轄している国立公園局が、許可してくれたということもあります。

現在の国立公園局の局長は、前回のLADYWEBゲーム『Mystery Circle in the Desert』の時に、“ユタ州政府観光局局長”として登場してくれたディーン・リーダー氏。そんなつながりもあって、許可がおりたようです。

いずれにせよ、シーズン真っただ中の世界遺産のイエローストーン国立公園の中で、レンジャーが人払いをし、『Five Stars・アメリカ世界遺産5つの謎』の撮影のためだけに場所をあけてくれる光景を、私は一生忘れることができないでしょう。

私にとってイエローストーン国立公園は、憧れて何度も通った「聖なる場所」。そこで自分たちが撮影をしているということ自体が信じられず、何度も何度も「これは夢じゃないよね」と、フォトグラファーの奈々子先生に確認するほど、私の感激は大きなものでした。

レンジャー
本物のイエローストーン国立公園のレンジャーです。前日のブログに登場した「映画の中のレンジャー」とは、制服が少し違います。他の国立公園では「開衿」が多いのですが、イエローストーンではきちんとネクタイを締めています。
Photo by Nanako Nishiyama


なかなか許可がおりなかったイエローストーン国立公園での撮影申請を、粘り強く続けてくれた「アメリカ西部5州政府観光局」にも、この場を借りて心よりお礼を申し上げたいと思います。本当にありがとうございました。

| 撮影ウラ話 | 12:00 AM | comments (0) | trackback (0) |
古代絵文字「ペトログリフ」の不思議
今週の日曜日は
ごく最近、アメリカ西部の写真を撮り続けている写真家、大高明先生と仕事でご一緒する機会がありました。
特にここ数年、大高明先生は「ペトログリフ」を求めてあちこち旅をされているそうで、これまでに30か所を超える場所で撮影した、たくさんの「ペトログリフ」の写真を見せてくださいました。
「ペトログリフ」とは、古代人が岩に残した絵や彫刻のことです。「ペトログリフ」は世界中に存在し(もちろん日本にも)、文字を持たなかった時代の人々がコミュニケーションや記録のために残したといわれています。

アメリカにある「ペトログリフ」は、ネイティブアメリカン、つまり先住民が残した岩絵のことをさします。この「ペトログリフ」は、『Five Stars・アメリカ世界遺産5つの謎』で撮影した地域にも多数存在し、Episode1でも、重要なキーワードとして登場します。
すでにゲームをされた方は、もうご存知ですよね。

現在制作中のEpisode2では、「ペトログリフ」そのものがキーワードとして登場することはありません。ですが、ニューメキシコ州最大の都市アルバカーキから比較的近いところにある
『ペトログリフ国立モニュメント』が登場します。

看板
ニューメキシコ州にあるペトログリフ国立モニュメント。

石の山
ペトログリフ国立モニュメントは、小高い山のようになっていました。


この「ペトログリフ」の世界、知れば知るほど奥が深く、時間があれば研究してみたくなりました。
岩に描かれているものは、人や動物の生活を描いた「日記・記録的なもの」、何かの象徴や祈願を表した「呪術的なもの」、ゲームに使われたかあるいは手なりに描かれた「落書きのようなもの」があり、デザイン的にもとてもおもしろいものがあります。
また、不思議なことに、背伸びをしたくらいではとても届きそうにない高い崖の上のほうに描かれているものも多く、いったい誰が何のために、こんな高い位置に描いたんだ?と首をかしげてしまいます。
今回のゲームでは、「ペトログリフ」への突っ込みはあまりありませんが、次回ゲームを企画する時は、ぜひこの「ペトログリフ」を中心に取り上げてみたいと思っています。

岩
あちこちに残されている岩絵。ペトログリフ国立モニュメントの岩絵は、動物や人物の手、記号を描いたシンプルなものが中心でした。

ペトログリフのシーン
Episode2に出てくるペトログリフ国立モニュメントの1シーン。

all photos by Nanako Nishiyama




| 撮影ウラ話 | 11:03 PM | comments (0) | trackback (0) |
自然発生的パフォーマンス
今週の日曜日は
火曜日のブログに、の「太陽光を取り込んで“口の中を殺菌”」というパフォーマンスが取り上げられていましたが、こういう姿は撮影チームのメンバーが、いかに仲がよく、また自由なのか……の証明でもありますね。
言葉を変えれば、素顔のまんま、地のまんま。大自然に包まれて感情のおもむくまま行動するため、実に不思議なパフォーマンスが発生します。

パークシティでの撮影
ユタ州ソルトレイクシティ郊外にあるパークシティは、スキーリゾートとしてはユタを代表する国際級のエリア。
アーリー・アメリカン調の雰囲気が漂う街並みを残していて、アメリカ開拓時代を彷彿とさせてくれます。
私たちはここで、旅をする「古代遺跡探索チーム」の撮影をしました。


突然のダンス!
パークシティの一角、私とフォトグラファーがロケハンをしている待ち時間に、
突然メンバーたちが不思議なダンスを始めました。


踊りながらどこへ行く?
「ダンサーチーム」をリードするのはもちろんタケ博士。みんな踊りながらどこに行くのでしょうか。


| 撮影ウラ話 | 12:00 AM | comments (1) | trackback (0) |
ガラガラヘビ&インディアンタコス
今週の日曜日は
金子さんのブログに、「ガラガラヘビ料理」の話がありましたので、少しだけ続きを……。
ガラガラヘビは、パサパサした鶏肉のような味でした。唐揚げになっていたので食べやすく、肉そのものの特徴はあまり出ていなかったのですが……。正直おいしいものではありませんでした。
印象的だったのは、お皿の上にのっていた骨です。ヘビの骨は、こんなにゴツいのか、と思うほどしっかりした骨が飾りで添えられていたのです。骨から推測すると直径7〜8センチはありました。ですので、かなり巨大なヘビだったと思います。

ヘビの話は嫌いな方も多いと思いますので、別の食べ物のお話を。
現在私は、Episode2・ニューメキシコ編の制作に入っています。この地域の名物はいろいろあるのですが、ポピュラーなものとしてはインディアンタコスでしょうか。
インディアンタコスは、Episode2のゲームの中にも出てきますが、アメリカ先住民の料理、薄い揚げパン(frybread)に、メキシコのタコスの具(刻んだ野菜やミート)をのせて食べるものです。薄い揚げパンは、小麦粉や、トウモロコシの粉を使ってつくります。
おいししくつくるコツは、揚げ油に上質なショートニング(植物油脂)を使うこと。油にいいものを使わないと、カリカリ、サクサクと揚がらないのだそうです。

ニューメキシコ州の世界遺産、タオス・プエブロ(ネイティブアメリカンの住居)の中にも、インディアンタコスをつくるコーナーがありました。タオス・プエブロの中で唯一飲食できる場所ですが、私には世界遺産の中に、そんなコーナーがあること自体が、ちょっと不思議に思えました。
インディアンタコスは、モニュメントバレーのカフェや、アルバカーキやサンタフェのネイティブアメリカンの博物館内のレストランでも食べることができます。
街のレストランでも、メニューにのせているところがあるかもしれません。もしニューメキシコに行くチャンスがあったら、ぜひ試してみてください。

タコスを作るおばさん

タコスをつくるネイティブアメリカンのおばさん。パンの材料を手で器用に練って伸ばし、油でサッと揚げます。
Photo by Nanako Nishiyama


タコスを食べる人々

インディアンタコスは素朴なおいしさ。サクッと揚がった揚げパンに蜂蜜も、かなりいけます。Episode2・ニューメキシコ編でもインディアンタコスを食べるシーンが出てくるので、どうぞお楽しみに。Photo by Nanako Nishiyama




| 撮影ウラ話 | 07:34 PM | comments (0) | trackback (0) |
最高のフォトグラファー
今週の日曜日は
『Five Stars・アメリカ世界遺産5つの謎』の撮影は、LADYWEB.ORGの編集長でもある西山奈々子先生ですが、この方と私はもう20年近く一緒に仕事をしてきています。
最初は小学館発行のCanCamというファッション雑誌で仕事がスタートし、その後はOggi、Domaniといった雑誌でも仕事を組むようになりました。(奈々子先生は、現在もDomaniで連載ページの撮影を続けています)
私はプロデュースおよびライターとして、雑誌で多くのフォトグラファーと組んできたのですが、奈々子先生ほど相性の合う方はいませんでした。
まず、とにかく内容についての飲み込みが早い。撮影が早い。それなのにクオリティが素晴らしい。
奈々子先生のスタジオ撮影では、他のフォトグラファーの方の半分以下の時間で撮影が終わります。これが海外撮影となると、さらにその能力が際立ちます。他のフォトグラファーの方の5分の1のスピードといっても過言ではありません。

海外撮影は、ほとんどの場合、時間に制限があります。ゆったりとした環境の中で、セッティングをしたり何度も撮り直しをしたり、などということはまずありません。
数カットをおさえたら、次の場所へ……という感じで1日のうちに10か所まわることも珍しくはないのです。
さらに海外撮影では、現地の天気に左右され、モデルのコンディションに左右され、交通機関やコーディネートのトラブルで待たされたり……などの要素が加わり、予定通り撮影を終えるのは、本当に大変なことなのです。
ところが、この奈々子先生は、私との60回を超える海外撮影の中で、これまで予定通り撮れなかったことはただの一度もありませんでした。瞬時に状況を把握し、臨機応変に対応する驚異のスピード……という能力もさることながら、「一日中雨だったのに、撮影のときだけ晴れた」……とか、「その地域は台風なのに、撮影で移動している間中、ちょうど台風の目の中にいた」などという、ミステリーな能力もあるのです。

今回の『Five Stars・アメリカ世界遺産5つの謎』でも、アメリカでの撮影は全3回、延べ45日間行いましたが、その間、天気やトラブルによる撮影の延期は一度もなく、信じられないほどスムーズに終えることができました。たぶん他のフォトグラファーだったら、こうはいかなかったでしょう。
そうそう、いちばん肝心なこと。奈々子先生が何よりも素晴らしいのは、スピードやお天気を呼び寄せる能力ではなく、「現場の空気感を伝える力」です。ゲームに登場するモデルさんたちの生き生きした表情を見ればユーザーの皆さんもおわかりかと思いますが、自然に、そして力強く表現してくれるのが奈々子先生なのです。

空港で撮影
Episode0、空港で撮影中の奈々子先生とモデル

セドナで撮影
Episode1、セドナで撮影中の奈々子先生とモデル


| 以上、現場からでした! | 02:11 AM | comments (2) | trackback (0) |
新年明けましておめでとうございます
今週の日曜日は
皆様にとって、2008年はどんな年になるのでしょうか。
一年の最初の過ごし方は、その年を象徴すると言いますが、私の場合は「徹夜で仕事」……でした。そう、もちろん「Five Stars・アメリカ世界遺産5つの謎」の制作のためです。
私は毎年お正月には、実家で数日間過ごすのですが、今年はその時間はほとんどありませんでした。実家にいたのは1月1日のディナータイム、正味3時間だけ。それでも、ささやかながらお休み気分を味わうことができました。やはり両親や兄弟たちと過ごすお正月は、とてもよいものです。

ところで両親と言えば、今回の『Episode1・グランドキャニオン&メサベルデ編』には、天才研究員役のジェフの「実のご両親」が登場します。ジェフのご両親は、ユタ州ザイオン国立公園の職員だそうですが、休暇になるとキャンピングカーでアメリカ中を旅行してまわる、とてもアクティブな方々です。
今回、私たちがグランドキャニオンで撮影をしていたとき、たまたま近くを旅行していらしたので、急遽、このゲームに参加してもらうことになりました。下は、そのときの写真です。

とても素敵なジェフのパパ&ママ
Photo by Nanako Nishiyama

いつどんなときにジェフのご両親が登場するのか、ぜひ『Episode1・グランドキャニオン&メサベルデ編』の中を探してみてください。

| 撮影ウラ話 | 04:53 AM | comments (0) | trackback (0) |
札束をつくるのは大変でした
今週の日曜日は
『Five Stars・世界遺産5つの謎』エピソード1のスタートが刻一刻と近づき、スペースシャトルの発射を待つNASAの長官のような気分の芥です。
さて、木曜日の本欄でKITAさんが札束のことを書いておりましたが、この札束にはとても苦労させられました。というのも、1万円札1枚1枚はほとんど厚みはありませんが、100 枚つまり100 万円の札束となると厚さは1cmほどですが、厚みの部分にやや黄色味がかった色がつきます。

これが問題で、新聞紙などではまったく質感が違います。よくテレビドラマなどで、誘拐犯に渡す身代金の代わりに新聞紙を札の大きさに切ったものを渡すシーンがありますが、新聞紙でつくった札束はすぐに見破られてしまいます。
日本の札は世界でもトップクラスの技術と特殊な和紙を使ってつくっているので、そう簡単には同じようなものはつくれないのです。

今回、いろいろな紙を使って札束をつくる実験をしたのですが、どんな紙もダメ。神様役の平井杉夫さんが足を棒にして探してきたのが、今回使用した札束用紙です。
ただそれでも本物のお札とは厚さが異なり、銀行員などの実際お金を扱っている人が見たら、たちまち見破られてしまうと思います。
やはり、簡単には偽造などできないようになっているのですね。

また、この札束をこしらえる際に大変だったのは、この厚みの紙を同じ大きさにカットすること。束ねてカットすると上と下ではサイズが違ってしまうし、力加減が悪いときれいにカットできず、ケバだってしまうのです。印刷所にあるような大型の裁断機でもあれば別ですが、本来うちの会社はWEBや雑誌の制作プロダクション。そんなものがあるはずもなく、ひとつひとつカッターで切ることになるのです。
本当は本物の札束を用意できたら、いちばんよかったんでしょうけど……。

たかが小道具でも、制作過程でいろいろ学ぶことがありますね。

本物だったらどれだけいいか……
Photo by Nanako Nishiyama


| 撮影ウラ話 | 03:20 AM | comments (0) | trackback (0) |

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