別の犬



形も色もころころ変わる時期ってあるんだよね。

妙に色が薄くなって、目の回りが隈取りで、やせっぽち。
耳が大きすぎて、頭が重い...わけはないけど、なんか
別の犬みたいでしょ。

なな号ちょっと心配してた。このまま大きくなるのかねって。

ねずみ犬



失礼だよね、僕のこと「ねすみと変わらない大きさだ」とか言うんだ。
こんなに大きくなったのにさ。

「気がつかなかったー！」とか言い分けしてたど、なな号の足下にいると、
しょっちゅう踏まれそうになったり、蹴られたり大変だったよ。

よく今日まで生き延びたもんだね。

イリュージョン



まだ外に出ることができなかった僕は、家の中をあちこち探索した。
笑っちゃうね、この頃のぼくには、この家がずいぶん広く感じてさ。

なな号は「おしっこのしつけ」と言いながら僕を四六時中見張って
いたけど、時々消えてやった。

スピーカーの後ろなんて簡単に入れるし、コンピューター関連の
機械がいっぱい置いてあって、コードのジャングルをすりぬけるの
が楽しいのなんの。

なな号が「ジャイはどこ？」「ジャイ！ジャイ！」と青くなって探すのが
めちゃめちゃおかしかったよ。

名前



まだ名前が決まってなかったころの僕。

なな号は、ありきたりの名前を付けたくないけど、なかなか
思いつかないと言って四苦八苦していた。

友達にもさんざんたずねたあげく、結局、自分のしっぽを
追いかけてくるくるまわる僕を見て、「ジャイロコンパスみたいだ」
とか言って、「ジャイ！」と決めたのさ。

出会い



なな号は僕に会う前、ペットショップには見向きもせず、
インターネットや雑誌で情報をあさりまくり、
色々なブリーダーさんに電話をして尋ねたり、直接会って
わんこを見せてもらったり、かなりこだわりを持って
探したんだって。

なな号は思い込んだら、けっこう一途なんだ。

この時が僕となな号の初めての出会い。
なな号は兄弟3匹の中から僕を選んだってわけさ。