"She Believes Cup"…オフ明けを差し引くとしても、ここから大きな好転がありそうにも思えない「なでしこ」

毎年呼んでもらっているアメリカで開催される "She Believes Cup"。初戦はスペイン。
スペインは今年のオリンピック出場権は持っていないが、アンダー世代のワールドカップでは近年毎度のように日本といい勝負をしているし、スペインはシーズン中、日本はオフ明け(しかも国内のリーグ戦は開幕前で実践不足)という状況の違いはあるが、とはいえオリンピックまで4ヵ月の段階であるし、チームの状態、現段階を測るにはもってこいの相手…だったかも。

日本は従来通りの4-4-2で、スペインは4-3-3。聞くオフ直後は前からのプレスに行けていた日本だが、5分も経たないうちにスペインが主導権を握り、最終ラインからサイドへのフィードボールに競り負けて、それに対応した守備網の修正もないまま折り返しから捻じ込まれて失点。8分。
その後は、日本がテクニカルなコンビネーションを見せて惜しい攻撃を展開する時間帯も数度あったんだが、その都度スペインに押し返される時間帯があり、これってよく考えたらスペインがペースを落とした時間帯だけ攻撃できてんじゃないかと。
後半になると、最終ラインでのビルドアップの凡ミスやら、なんともクラス違いかと思えるようなボール処理の拙さで2失点もあったり、後半はそもそも大した攻撃も構成できなかったことからも、それが伺えるんだが。

日本のゴールは前半終了間際。右サイドバックの清水のアーリークロスというか前線へのフィードを岩渕がスライディングしてワンタッチでゴールキーパーの頭越しにゴールマウスへ収めるゴラッソで一度は同点に追いついたもの。これは見事なゴールだったよね、、、岩渕の個人能力・センスで。
だから高倉監督はこういうのを求めてんのかね。戦術云々より個人能力というか(毎度の)個の力云々、、、みたいなことを常々言ってるようだから。
だけどさ、戦術というか、仮に戦術といっても細かい決まり事や組織での細かいやり方のこと(違いを際立たせるために精密機械的とでもあえて言いましょうか??)以前に、戦いの戦略(戦略性)というか、ベースというか、原則なりディシプリンは不可欠でしょ。そういうのが相変わらず感じられないんだよ。
スペインには、個の力やセンスもありつつ、そういう戦術性はきちんと見て取れるわけで。
こういうのって、なんかさ、昔のジーコ監督時代の日本代表(選手の自由や自主性を重んじる云々って言ってた…)に見られた空虚感と似てないか。

攻撃の方では、さすがに自国開催のオリンピックも目前に控えて選手たちのヤル気と集中やセンスが結構発揮されたイマジネーションあるコンビネーションやパスワークが見られたが、守備面はスカスカ、穴だらけ。それこそ戦術性皆無をあからさまに露呈してないか。
ま、それってもうずっとなんだけどな。改善しようとしないのか、改善しなくても大丈夫と思ってんのか、改善する手立てが無いのか、一体どうなんだ。JFA(日本サッカー協会)はどう考えてんだ??? 男子も女子も、同じような体っていうのがなんとも象徴的。

中盤センターは杉田と三浦の2枚がプライオリティなんだろうが、この2枚じゃ危ないでしょ。3枚にしたらどうですかね。4-3-3でアンカーっていうんじゃないよ。日本でいう3ボランチってやつ。
中盤を3枚にしたら前の枚数が足らなくなる?? どうせそんなに枚数絡んでないだろ。中盤センター3枚が上下動を頑張るんだね。その方がバイタルエリアで無用な細かいタッチが減っていいんじゃないか。
もっとも、それだと攻撃スタイルの変更になるが、今日のゴールシーンやゴールチャスを振り返っても、そのシーンを作り出してたのはそういう攻撃スタイルに近いような気がするが。

それにしても、ヨーロッパ各国が女子フットボールに力を入れて来て、日本も含めアジア諸国は(かつては中国や北朝鮮も世界の強豪国だったんだが)FIFAランキングでも10位台が当たり前っていうフェーズに入ってきたかね。
厳しい時代に直面してるな。

あ、昨日のテントリーに訂正入れておきましたが、"She Believes Cup" の第2戦、イングランド戦のNHK-BSでの放送はライブじゃなく録画放送で、日本時間9日(月曜日)9:00AMからです。

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