中盤セントラルを試されて結局「10番」の位置に戻されて…

昨夜、マンチェスター・ユナイテッドはリーグカップ戦(キャピタルワン・カップ)だったんだが、現地でも香川の出場予測はなかったりしたんでどうかと思っていたが、スタメンで出場した、、、んだけど、負傷でわずか20分で退き、ユナイテッドも3部のクラブに0-4で敗れて早々に敗退と。

ディ・マリアがとうとうユナイテッドに来るし、ますます出場機会はなくなる。ディ・マリアは確かにスーパーな選手だが、ディ・マリアを入れることで、ファン・ハールの求めているフットボールの内容がわかるというもの。ディ・マリアが入るとかどうとかよりも、そもそもファン・ハールの求めているフットボールからして、香川の出番も、それからマタの出番もないだろう。香川が全くダメなわけではなかろうが、求めているものが違う。昨夜の短いけれども香川がプレーしている時間を見れば、香川を中心にチームを作っていくのも面白い感じはあるけれども、そんな時間はないってばさ、ユナイテッドだもんな。しかも、今シーズンは昨シーズンの巻き返しをしなきゃイカンのに。
そのファン・ハール監督、アメリカでのプレシーズンマッチの頃には香川を「8番」か「6番」で試したい…などと言っていたようだが、そこでは使えないとの判断に至ったのだろう。結局は「10番」の位置しか使い道がないと。実際、そういうコメントをしているし。見切りが早いっちゃぁ早いが、だって数週間しか経ってないんだから…でもそんなもんだろう、メガクラブでは。
これって、いわゆる日本で言う「トップ下」タイプ(「10番」の位置)の選手がヨーロッパに渡って、そのうち中盤セントラルで試されて、でもやっぱり「10番」の位置に戻される(「10番」の役割のサブに置かれる)というパターンが少なくない。要は、「10番」の位置とか役割って、日本でよく言う、トップ下の真ん中にデ~ンって居座ってっていう概念が国際的にはないわけで。そこの位置・役割って、1トップの下であろうと2トップの下であろうと、セカンドストライカー、シャドーストライカーなわけで、、、そこはもう、日本でもっていうか、日本のメディアが、いい加減肝に銘じないと。実際に香川はドルトムントでその役割で素晴らしい輝きを放っていたんで。それがイングランドではどうも、、、移籍当初は悪くなかったと思うんだがねぇ…2012-13シーズンの序盤に、ファン・ペルシが最前線に入り込んだ香川にマジ顔でグラウンダーの速いボールを出して、香川はそれを反転ターンで受けてゴールに送り込んだシーンは、いまだに名場面として私なんかの脳裏に焼き付いている。現地の実況も、Very cool finish!!って絶叫してた。ただ、段々そういうプレーが見られなくなってしまい…ま、ブンデスリーガとプレミアリーグとの違いや、ドルトムントとユナイテッドの違いは大きいし。どっちが上とかではなく、フットボールの違い、文化の違い。
日本選手のそういう「トップ下」タイプって、アシストも(ゲームメイクを)せにゃ…って感じがあり、しかし周囲の感覚的にはセカンドストライカーとしては物足らないってことになって(フィジカルも厳しいし、そういうタイプの選手なんて、どんどん無尽蔵に出て来るし)でも、ゲームメイク能力やセンスは高いんで、1列下げて中盤セントラルで使おう…ってな流れになることが、まぁ多いかと。でもそこでは守備のセンスや感覚や、常識(の範疇の個人戦術)かもしれないが、そこが不足しているし、長いパスをあまり出さない(出せない)し、ミドルシュートも(決める時は実に美しい弾道のスキルフルなシュートを打つんだが)基本的には強引なほどのミドルを打たないし、そんなこんなで割と早く見切りをつけられる…と。そうなると、日本人の好きな「トップ下」あたりにこだわるんだったら、ゴールを決めるしかないわけっすよ。ユナイテッドのマタだって、試合を見たら全然どーちゅーことないんだが、なんかゴールをホロって決めちゃうよね。せめてそれがないと、っていうことになる。ただ、前段で書いたように、マタもイングランドじゃぁ確かにどうかって感じはするよね。チェルシーでモウリーニョが使わないのもわかる。守備しないし。

さて、香川はどうするんかね。このままユナイテッドに居るんだろうな。明日メンバー発表のある9月のテストマッチの日本代表には呼んでいるようだが、その後は試合に出場しないんだったら呼ばないことかと。
そうそう、昨夜の試合では久しぶりにニック・パウエルの名前を見た。この選手もイングランドで逸材と言われている選手。香川と一緒に入団会見してたんで、そのうち脅かされるんじゃないかとちょっと気になっていたんだが、昨シーズンはヤヌザイが出て来て、リンガードも出て来て、どんどん出て来る。ああ、ヤヌザイだが、先週末のプレミアリーグでも中盤セントラルで途中起用されているし、だから攻撃的な選手ったって、例えば2トップの一角でも、シャドーの位置(「10番」の位置)でも、ウイング(というかサイドの位置でも)2列めでも3列めでも、どこでもやれるのが普通って感覚なんだろ。そこが日本の感覚とは全然違うだろうな。

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