「ロストフの…」

大晦日のメイウェザーの「スペシャルエキシビションマッチ」(エキシビションマッチにさらに「スペシャル」を付けているのが違和感だったのはナイショだ…)について、結果や内容はともかく、根本的、根幹的な身体の構造やら柔らかさや使い方のどうしようもない違いを感じた。ウェイトの差も大きかったんだが、ボクシングは階級(ウェイト)制だがフットボールにはそんなもんは無いしな。言うなれば、無差別級…だわな。日本人が「サッカー」のテクニックや技術を磨くだけじゃ、地球最激戦競技であるフットボールの戦いに十分でないことは、こういうモノを見ても明白だと思うんだが。
フットボールは殴り合いや倒し合いではないけれども、フィールド(ピッチ)上の一種の格闘技だからな。

さて、海外でも2018年の最も印象に残った試合にもしばしば挙げられる、ワールドカップでの日本とベルギーの一戦。日本で言う「ロストフの○○」って試合。
NHK地上波とNHK-BSで放送された(BS版は全長版とでも言えばよいのか…)ドキュメンタリー・チックに制作された番組については、ま、TV局が制作する番組としてとてもよくできた内容だったと言えるでしょうね。私も食い入るように視ましたよ。単に悲劇だの、ドラマだの、とTV屋がやりそうなテンプレ的な持って行き方じゃなく、日本とベルギー双方の選手たちの生の声をフィーチャーして、特に日本選手から(それもヨーロッパでプレーしている経験豊富な選手たちから)異口同音に「慣れ」の問題を引き出しているのは貴重で重要な部分だったろう。

番組内容としてはもう少し、例えば日本のベンチワークの力量の問題とかも取り上げて欲しかったし、そのベルギーのゴールキーパーのクルトワから始まる14秒のカウンターの中に見える、ベルギーの選手たちの戦術(個人戦術というか、普通に共通に持っていると思われる戦術力)や技量やスキルの詳細な分析も欲しかった。あれは、単にロングカウンターでした、、、じゃない深い戦術や技量が随所に内包されていたと思うんで。
デ・ブルイネの猛スプリントおよび高速ドリブリング(の技術)に前方に対峙する山口蛍との駆け引き、ルカクのスルーだけじゃないぞ、、、あの中に内包されているのは。
長友のあの短時間でのシンキングスピードと瞬時の応対切り替えとか、よく扱ってくれてましたけどね。でも、それらは長友が話してくれたから、かもね。
日本のベンチワークというか采配については、西野監督に大会直前に切り替えて準備が十分でなかった…という意見をよく耳にするが、それも確かにそうだが、準備が十分できていたとしても、選手の力量の点からではなく、後半に入っての2ゴールで2-0としたあの試合のその後のマネジメントとしては、仮にあの試合は勝利で終えていたとしてもそれは偶然の産物であって、論理的にマネジメント・スキル的に勝利で90分を終える采配ができたとは思えない(そういう采配ができうるレベルにはまだまだ到達できてないと思う)んだな。
選手の力量や経験・場数や慣れだけじゃなく、そういうマネジメントの部分にも突っ込んで欲しいな。

あと、最も私(たち)が話を聞きたかった選手の話が聞けなかったのは残念。吉田麻也の話の中で、その選手と試合後にどういう会話をしたかは聞けたけど。その会話から、その選手のあの時の思考のごくごく一部は聞けたようには思うけどね。本人から直接聞きたいですよ。オシム氏からの擁護めいたコメントもあったが(いわく、レッドカード覚悟で止めるしか、、、的な…)それでも何度あの映像を見ても、何かできることはあったと思えて仕方ないんだな。だから、ね。
今後、聞けることはあるんだろうかね。本人、沈黙を保ったまま、だが。

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