女子ワールドカップ・ファイナル…「想定パターンA」の展開になってしまった。

日本時間本日朝の女子ワールドカップ・ファイナル、わずか16分で4失点しちゃ、そりゃあね。せめて2点まで、ないしは3点までで止めないと。だけど、優勝した前回大会も実はいい記憶と感触を日本人はもってるかもしれないけど(その次のロンドン・オリンピックも)ひとつ間違えばこうだったわけですよ。だから「想定パターンA」というわけ。ただ、これまでと違っていたのは最初の2失点はセットプレーだったことで、あれは完全にスカウティングでやられたな。分析され研究されてた。それは明白だろうな。

実はセミファイナルのイングランドも、同じようなスカウティングをしていた形跡がある。だから共通ターゲットだったかも。具体的には、日本の左サイドバックと、センターバック右…2つのセットプレーとも同じ取られ方だったでしょう。また、そのセットプレーも意表を突くもので、明らかに作戦だったろうな。その5分間のセットプレーからの連続失点で、完全に浮き足立たされてしまった。
アメリカはもちろん強いのだが、今大会はモーガンを1トップに、その下でロイドが自由に動き、4-4-1-1のフォーメーションで後ろにブロックをしっかり形成して、モーガンに当ててロイドが拾ってという手堅い戦い方で(実際に失点もここまでわずか「1」と非常に少なく)でも前回大会ほどの(フィジカルを押し出してどんどん槍が突き出て来るような)迫力はなかったんだが。4-4の守備網も、数は居るけれども組織性が高いというわけではなく、選手と選手の間に入っていくと結構崩せるんじゃないかと思ってたんだが。

それでも、トーナメントの組み合わせにめぐまれてたとはいえ(それはドローが決まった時から描けていたことで、それをコンプリートしてファイナルへ到達したわけで)先日も書いたように、2大会連続、途中のオリンピックを含めて3大会連続のファイナル進出は偉業と言うべき。この試合でも、佐々木監督は早々に宇津木を左サイドバックに回したり、、、澤を早々に入れたり…しかも澤を誰と替えるのかと思ったら阪口をセンターバックに下げて、、、菅澤を早めに入れたり、、、打てる手とアイディアは可能な限り発揮していたと思う。前回大会から変わり映えのしないメンバー構成の中、その手腕は評価されるべきだろう。準優勝したとはいえ、これでサイクルの終わりというか転換のターニングポイントとさすがに思うが、すぐに来年初頭にオリンピックのアジア予選があるんで、そこまで佐々木監督の契約更新がなされている。ただ、今度こそ本気で入れ替えをしなくてはならないだろうな。オリンピックのアジア予選は、出場国数が「12」なのでアジア枠は「2」しかなく、相当に厳しい戦いになる。日本のオリンピック信仰を考えれば出場権を逃すわけには行かず、チームづくりはこれまでよりもさらに困難を極める作業になるだろうな。

ちょっと残念なのは、ぬるい感じがした空気だな。現場(選手とスタッフ)はそんなことはないと思うが、、、ただ、なんかね…今日の試合でキックオフ前にやたら円陣が長かったのは嫌な感じはしたけど。
あと、私が主に見ていたNHK-BSの中継では、今日の試合に限らず、「全員守備・全員攻撃」って強調したり、「23人全員で戦います」って言ったり、フットボールの戦いはそんなん当たり前であって、特に日本人はそういうの(そういうフレーズ)が好きなことになってんだろうけど、でももう50年も60年も(なんのスポーツ中継でも)そういうフレーズ使ってんでしょう。NHKなんでご年配の方々が喜ぶ、シンパシーのもてるフレーズを大事にしてるのかもしれないが、もうちょっと現代的にならないものかと。こういうの、全然変わらないんだもんな。先に書いた、ぬるい感にしても、そう。日本のメディアと社会のね。

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