海外クラブが欲しがる選手も変わってきた?

大阪の扇原がドイツのニュルンベルクへ移籍という話が、またメディアで伝えられている。もうこれは以前からあった話なんで、早く決まればいいな、という感じ。来夏か、この1月か、という話だそうだ。

昔はJリーグの、まぁいわばトッププレーヤーであるとか、チームの中心選手しか海外クラブへの移籍が実現しなかったもの。1998年の中田英寿から(実質、中田英寿からようやく海外クラブへの道が開けたようなもの)翌年の名波浩をはじめ…
扇原については、所属のセレッソ大阪でいえば、中盤底のポジションには扇原とともに山口蛍がいてレギュラー。扇原はサブ。例えで言ってみると、仮に日本代表チームに扇原と山口蛍を呼んでみたとすると、すぐに使える(使い道がある、必要とする役割がある)のは山口蛍の方だろう。でも海外クラブが興味を示すのは扇原の方…というのは感覚的に理解できる。海外クラブが育成して戦力にしよう(あるいは転売しよう)という意図がないわけではないが、扇原の年齢を考えた場合、育成として獲得するわけではなかろうし(今年オリンピックに出場したんだから若いんだが、十代ではないんだから海外では特に若いとは言えまい)ニュルンベルクへの移籍が本当であるならば、ブンデスリーガ1部残留がクラブの目標であるニュルンベルクにそんな余裕はない…即戦力である必要がある。それでも山口蛍ではなく扇原なわけで。ここ、もうわかるよね。
ドイツのブンデスリーガでは、かつて高原直泰がプレーして活躍もしたが、香川真司以降、数多くの「オリンピック世代」の選手たちがドイツに渡って行った。それは青田買いというようなものではない、戦力として。もちろん今ごろマーケティング目的もない、そんな時代でもない。彼らはどの選手も、私もいい選手だと言える選手ばかりだが、Jリーグのトッププレーヤーだとかチームの絶対的中心というほどでもなかろう。でもそうした選手を海外クラブはチョイスする。単に移籍金がかからないということだけではない。海外クラブが欲しがる選手も変わってきた、と思う向きもあるかもしれない。
海外には行かなかったが、もし行っていれば違った選手生活になったんではないかなぁという選手も、Jリーグには何人もいる。誰とは言わないが、ふとそんなことを思ったり感じたりする選手もいる。もちろんそれは選択肢の間違いというほどのことでもない。ただ、Jリーグでチームの中心的存在として必要されるものと、海外クラブが必要とするものは異なるというか、必ずしも同一ではないということ。もしかすると、J1のクラブでのレギュラーではない選手、あるいはJ2の選手の中から、今後もふ~んという移籍があるかもしれない。そういうのがまた楽しみなんでもある。そんなに海外へ行ってしまうと国内(Jリーグ)が空洞化するという声がいまだに多いんだが、言いたいことはわかるが、それくらいでないと全世界とフットボールでは競い合って渡り合っては行けないわけ。そこがドメスティックな(あるいは世界の一部の地域でしかやられていない)スポーツ・競技とは根本的に違うところ。
では、日本のフットボールを観戦する人たちは何を楽しみにするのか…新しい選手が出てきて育っていくのを、自チームでいつまでもプレーしてくれるのもいいが、国内ビッグクラブへ移籍して行ったり、海外クラブへ移籍して行ったりすることも含めて楽しみにできるようになれば。。。そんな風土がもっと醸成されれば、若い世代やジュニア世代の選手たちのプレーを見るところも変わってくるのかもしれないし、それぞれの地域のクラブ経営やクラブを取り巻く環境も変わっていくかもしれない。そうしてスポーツ文化社会が醸成されていくのかも。

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