Vol.28 「デビュタント参加体験記」その10〜舞踏会を楽しみましょう

サッカーボールに変身したライトが会場にたくさん! 参加者の目を楽しませてくれました。
ウィーン舞踏会のデビュタントの“証”ともいえる「左回りのウィンナーワルツ」を含む、ワルツ曲の踊りが終わりました。観客のデビュタントたちへの拍手とともに、オープニングは無事終了です。

やがてデビュタントたちの白いドレスの中に、一般の人たちのカラーのドレスが混じって、踊りが始まりました。老いも、若きも、デビュタントたちに混じって踊り、これからは皆さんが楽しむ時間です。ダンスや会話、新しく知り合う方たちとの社交、そしてお酒も……時間は朝まで、たっぷりとあります。

私は日本のデビュタントたち3人に“お疲れさまでした、ちゃんと踊れていましたよ”と、早く声をかけてあげたかったのですが、あっという間に場内は人々でごったがえしてしまいました。彼女たちとは後ほど合流することにして、「花の舞踏会」を少し、見て回ることにいたしましょう。

サッカーの欧州選手権がオーストリアとスイスで開催される今年、デビュタントの会場は、この舞踏会のテーマである「花」に加え、サッカーの趣向もあちらこちらに見られ、“市庁舎”とは思えないような美しい装飾が施されていました。メインホール中のライトが“サッカーボールに変身”し、それが心憎いほどのかわいさでした。また、廊下にもサッカーにちなんだ面白い飾り付けが並び、美しい中にも参加者たちの目をさらに楽しませてくれます。

あれ? こんなところにもサッカー? 会場のいたるところにサッカーにちなんだ飾り付けがほどこされていました。(写真提供/Sさん)
笑顔で修了証を持つSさんです。
「花の舞踏会」にはこれまでにも何度か参加してきましたが、このような特別な年に来ることができたのはラッキーかもしれませんね。そして、伝統文化である舞踏会とサッカー、という一見、まったく関係のなさそうなイベントをどちらも、大まじめに、しかも遊び心で盛り上げてしまうところには、感心してしまうのでした。

深夜、カドリールが終わったところで、初めてデビュタント3人と合流。今年、デビュタント初参加のSさんへ、「デビュタントプログラム修了証」をマティアス先生から授与です。……昨日から舞踏会直前までの緊張顔もやっと解け、笑顔で修了証とともにマティアス先生と記念写真に収まるSさんを見ながら、これでようやく今夜の“役目”も終わった、と思う私なのでした。