Vol.08 夏の夜の宝石たち

美しい宝石がこぼれ落ちてくるような花火。
ところでこの会場、スポルティングクラブは、すぐ海に面していました。熱気あふれる会場からバルコニーに出ると、海岸線に沿って“地中海の宝石箱”と形容されるモナコの夜景。対岸の高台には、ライトアップされた大公宮殿も美しく見えています。

夏の夜の、涼しい風に当たりながらのコンサート鑑賞は、この季節ならでは。何と心地よいことでしょう。

そして、コンサートが終わったその瞬間、なんと海の上から花火が打ち上げられました。コンサートを楽しんでいた人びとは一斉に海へと振り返り、拍手と歓声が上がります。豪快な音とともに、“宝石箱”の上にさらに、色とりどりの美しい宝石が次から次へと、落ちてくるような、そんな夜空を、今宵このチャリティー舞踏会に参加した私たちのみならず、モナコ中の人びとにも、プレゼントです。

その刹那の宝石を見上げながら、私はぜいたくな一夜の幸せをかみしめていました。

花火の終わりとともに、とりあえず舞踏会はお開きとなりますが、先ほどアルベール大公に紹介して下さった、政府観光局の日本人の方がご親切にも、二次会に誘ってくださったのです。もちろん、参加しない理由はありません。

場所は同じくスポルティングクラブ内のディスコ。「私たちと一緒について入ってください」と言われその方についていくと、舞踏会会場からそのままそのディスコに入るには、どうやら「誰だれの(連れ)」という“顔パス(?)”が要るようです。私たちはお陰で、入れていただくことができました。

中は、舞踏会参加者以外の人びとですでにいっぱい。すぐ上の階ではロイヤルファミリーとご一緒の正装した舞踏会、とは思えないような、こちらは“普通のディスコ”でした。ロングドレスにブラックタイ、のままの私たちと、一般の服装をした方たちが混じりあう光景は少し異色でしたが、もうすでに、深夜。これからの時間は正装もシャツ姿も、思い思いに楽しめれば良いのですね。

……とは言え、普段、東京でもほとんどディスコに行かない私は、ましてやロングドレスで、“若者”に混じってディスコミュージックで(古い言い方ですか?)踊るのは少々恥ずかしいものがありましたが。

写真提供:PRINCESS OF MANNER