Vol.03 たくさんのカメラマンが待ち構えていた舞踏会の会場

今回の舞踏会でのドレスは、白地に濃いピンクやグリーンなど花柄が鮮やかな、ワンショルダードレス。ショルダー部分には白いオーガンジーのフリルから続いて、共布のフリルコサージュが流れるようについています。切り替えなしのシンプルなAラインですが柄が印象的です(と、自分では思っています)。以前ウィーンの夏の舞踏会でも着用いたしました。

冬のウィーン舞踏会とは違いもちろんコートも着ていないので、ドレス姿でホテルのロビーで少々恥ずかしい気分で待つことしばし。ピックアップの車がようやく到着したのは、約束の時間を30分以上も過ぎた頃でした。

途中、オテル・ド・パリやグラン・カジノの前を通ると、正装の人びとがホテルのロビーにも外にもあふれています。私たちは参加いたしませんでしたが“舞踏会の前にオテル・ド・パリのロビーでシャンパーニュ”されていたのでしょう。

東京のホテルであったらかなり周りからは浮いてしまう光景ですね。

さて、本日私が同行させていただいた主な方々は……モナコやカンヌのご紹介と「マナー講座」を開講されている日本人のマダム。ご自身も、国賓・公賓訪日の際に皇室などの外交関係であったお父様に、国際マナーを厳しく躾けられ育ったという方です。

そのほか、王室関係やハイソサエティにも人脈の広いモナコ在住ジャーナリスト、そのお友達でドイツの女優(オフショルダーの黒いゴージャスドレスです)、それに今回のコーディネーターで南仏在住の日本人……の方々でした。日本人のおふたりは、お着物での参加です。

リゾート地の夏は、夜になっても陽が高く、人びとは、バカンスの一日を思う存分楽しんでいます。大統領も臨席されるウィーン・オペラ座舞踏会では、会場周辺には交通規制がかかり警察も出動、となるのですが、こちらは王室主催であってもピリピリした雰囲気がなく、やはりリゾート地ならではなのでしょうか。

舞踏会入り口で待ち構えていたジャーナリストの方々。
その会場は、モンテカルロ・スポルティングクラブの中の、ゼトワール広間。1,000人近くが収容できるという大きなホールです。

けれどもなんということでしょう、私たちが到着したのは予定より一時間も過ぎた頃でした。車内でいらいらする私、それでもコーディネーターの方は「時間通りに行っても、まだ始まっていないから大丈夫」と涼しい顔。そんな私たちを待っていたのは、会場を入ってから舞踏会場へと続く間の、ものすごいカメラマンたちだったのです(あっ……別に“私たち”を待っていたわけではないのですけれどね)。