
Kimono Master 山龍
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山龍コーディネイトの30万円也の組み合わせ。襦袢や足袋、草履や着付け小物、下着、仕立て代も全部合わせての価格です。
着物は唐織りの小紋「雪月花」。この連載コラムの第4回でも紹介した機械織りです。
帯は『綛天鵞絨(かせびろーど)袋帯』。梅の花の部分がビロードタッチに見えるように、モール糸を織り込んである。 |
そこで山龍からアドバイス。
「とにかく、自分のお気に入りの店と、話の合う販売員を見つけること。それに尽きるな。で、着物は無地っぽいものから入るのが無難やな。洋服のコーディネイトの感覚に近いし」
無地の着物を選ぶ場合の注意点は2つ。一つは先染めであるか、後染めであるかということ。先染めは糸の段階で色染めした、いわゆる織物である、後染めは、白生地と呼ばれる生地を染めた染め物。クオリティとしては、先染めのほうが高い。
もう一つの注意点は、手織りか機械織りかということ。当然ながら、手織りより機械織りのほうがはるかに安いが、だからといって機械織りは質が悪いというわけではない。そのへんの判断は、工芸品的な価値感や風合いの好みであり、機械織りでも素敵だったらいいじゃん、と私は思う(だいたい機械織りか手織りかなんて素人にはわかりません)。
「あとは、全体面積の多い着物より、帯のほうが失敗が少ないから、帯はきちんと選ぶこと。着物は間に合わせでもええ。百貨店の呉服市で買った19,800円の着物でも、帯との組み合わせがかっこよければ、398,000円の着物に見えたりするからな」
入門価格は(あくまでも山龍のコーディネイトであるが)、下着から小物まで全部合わせて、総額30万円が理想だそうだ。
「どう考えても、30万以下やったら、コーディネイトが破綻してまうわ」
これを信じるか信じないかはそれぞれの自由。30万も出すんだったら、ちょっとプラスして、グッチのインディを買うわ! という方はそれもよし!
でも、着物をかっこよく着こなしたときの存在感と輝きはインディの比ではない、ということは断言できる。
怪しく恐ろしい裏話が、早く笑い話になることを祈って、さあ、着物姿で年末のパーティに繰り出し、悪霊払いと行きましょう!
(2007.11.13)