
Kimono Master 山龍
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染め上がった山龍初の浴衣地。小千谷縮に尾形光琳の「秋草紋様」が手描きで描かれている贅沢なもの。仕立て上がりの着姿は、来月ご紹介します。
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そう豪語して、山龍が今回選んだのは、小千谷縮(おぢやちぢみ)、麻100%の素材だった。エアコンなんてものがなかった昔は、夏は汗の吸収のいい綿が浴衣の基本だった。
代表的な綿コーマ、綿絽、綿紅梅、有松絞りなど、全て綿100%。しかし、エアコンが普及している現代では、室内に入ったときに、乾燥するのが綿の3倍早い麻の方が、着心地がいいのだという。クレープのようなサラサラの肌触りは、いかにも気持ちよさそうだし、綿のようにヨレヨレにならないシャキッと感が、かなり粋である。
柄は、尾形光琳の小袖の図案「秋草」を復元。ブルーの濃淡と墨を基調にした、シックでいて華やかな、正に大人の浴衣ならではの柄である。
「涼しげやけど硬質な光琳のタッチは、浴衣にちょうどいい。色彩バランスが完璧やな」
さてさて、これを仕立てたら、どんな浴衣が出来上がるのか。はたまた、これを着て表参道を歩いたら、女っぷりがどのくらいアップして見えるのか……そのへんは、来月のお楽しみということで……。
「僕の浴衣があちこちで取り上げられて、浴衣のメーカーさんが、どんどんコピーしてくれはったら、日本の夏の浴衣姿が、もっとよくなる思うよ」
山龍、自信の発言にて、夏はもうすぐそこなり!
(2007.7.6)
