バーニング・スカイはインディアン種族間の問題や、社会のナバホ、ホピ族に対する不当な扱い、ユカ・マウンテン(Yuca Mountain)での核廃棄物問題などの解決、援助を目的とする、たくさんの慈善コンサートで演奏してきた。それは彼が成長過程で、ネイティブアメリカンとして常に社会問題に感心を持っていたためである。

バーニング・スカイのCDは、ほとんどがネイティブアメリカンのフルート、生ギター、パーカッションなどの楽器による、インストゥルメンタル(演奏のみ)で、それはとてもリラックスできる、すばらしい音楽だ。バーニング・スカイは今までに6枚のアルバムを出していて、私はその内の3枚を聞いたのだけれど、4作目のアルバム「ENTER THE EARTH」は、アーロンの語りが入っていて、その声が実にいいのだ。

彼が歌わないのは、もったいないなと思っていると、音楽活動のポリシーは今までのバーニング・スカイと同じだけれど、より具体的にメッセージを伝えるために、次はボーカルの入ったソロアルバムを出す予定だということで、今からとても楽しみだ。

自分にとって、大切なもの3つをあげるとしたらなにか、と言う質問に対し、彼は、精神性、家族、音楽と答えた。大地と文化の結びつき、頭でなく心で真実を語り、母、父、妻を尊敬し、自分自身を愛すること、音楽に対して常に、心を開き、受け入れる姿勢を忘れないことだと続けた。アーロンは彼のギターとフルートは、階級、宗教、文化のバリアーを破り、彼の感性と通じ合うためのツール(道具)だという。私は彼のアルバムを聞くと、自分が大自然の風景に溶け込んでいくような気分になり、なんとも言えない郷愁に駆られる。なるほどなと、私は彼の言葉を思い返した。


工房で制作に励む姿からは、一種独特の気迫が伝わって来る。



彼の作るフルートは、音色も形もアートだ。そんな貴重なフルートを求めて、多くのミュージシャンが彼の工房を訪ねてくる。



Coordination/Jeffrey Dean Kennel

取材協力/アリゾナ州政府観光局(Arizona Office of Tourism)www.arizonaguide.com

セドナ・オーククリークキャニオン商工会議所(Sedona-Oak Creek Canyon Chamber of Commerce)www.VisitSedona.com