LADYWEB 今回目立ったチームはどのチームでしょう?

KOH先生 私はやっぱり、セネガル、トルコです。セネガルは、皆さんもご覧のとおり、素晴らしい身体能力を生かしたパフォーマンスに、組織的な完成度もあって、ハイレベルなチームだったと思います。今後も、今回のチームのベースがキープしていけるかどうかが、肝心でしょう。

トルコは、そのセネガルの攻撃を見事にいなしていました。ブラジルと2度戦って、どちらも質の高い好試合を見せてくれましたしね。今の日本では、トルコに対して勝ち切れないのではないでしょうか。負けない試合はできるかもしれないけど、勝ち切れないような気がします。あとスウェーデンです。私はスウェーデンは結構いいチームだと思いました。サッカー自体は創造的でないかもしれません、放り込んでゴツンだし。でも、あのディフェンスは素晴らしいです。アルゼンチン戦でも、序盤からアルゼンチンに激しく攻められても、ペナルティエリアの中に入られても、ゴールエリア近くまでは入らせませんからね。際どいシュートがビュンビュン飛びましたが、全然入る気がしませんでした。

クロアチアも、イタリアに勝った試合に限っては素晴らしかったです。実に渋い試合だったですが。それから、日本でもかなり人気が上がったと思いますが、アイルランド。ロイ・キーンが大会前に帰ってしまってどうなるかと思ったのですが、非常に素晴らしいスピリットで、ドイツと終了間際の同点ゴールで1-1のドローに持ち込んだ試合とか、スペインにも土壇場で追いついた試合とか、結構楽しかったです。アイルランドに感動した日本のサポーターやファンの人も、多かったみたいです。

そして優勝したブラジルです。と言っても、セミファイナル以前のブラジルは、その攻撃力は凄いけれども、チームのバランスとしてどうなんだろうと思っていました。特に中盤の底から最終ラインにかけて、バランスが悪いような気がしていました。それが、セミファイナルのトルコ戦では、トルコのパフォーマンスに刺激されたかのように、全く隙のない試合運びで、流石に最終ゴールに近づいたブラジル選手たちの迫力と集中力にたいへん感心させられました。

LADYWEB イングランドはどうでした?

KOH先生 イングランドは、これが精一杯かなあという感じですね。私は個人的には、ジェラードが来られなかったんで、それがとっても残念です。ジェラードは来てもらいたかったですね。

LADYWEB 私はイングランドの試合を見て、イングランドファンになってしまいました。

KOH先生 ああ、すごくいいですよね。やっぱり、思っていた以上に味があるというか。ドイツもそうなんですけども、やっぱり味があると思うんですよね。ドイツと韓国の対戦を見ていると、ドイツが韓国をいなしてるでしょ、あんなに走り回させて。とっても味わい深いと思います。ベッカムも、あんなもんじゃないですよ。それからスコールズも、あんなもんじゃないと思うんですよね。

LADYWEB イングランドVSブラジルの試合は静岡スタジアムで観たのですが、しかし、ブラジルのリバウドやロナウドというのは、見ていても目で追えないほど動きが速いですよね。

KOH先生 そうそう。グループリーグでのトルコ戦でも、リバウドの折り返しで同点に追いついたロナウドのゴール。あれなんか超絶ゴールじゃないですか。あんなところにあんなクロスを放り込むリバウドも凄いけど、プロレスのドロップキックみたいにゴールに叩き込むロナウドも凄いですよね。ほんと、あれは止められないですよね。

LADYWEB サポーターについてお聞きしたいのですが、サポーターとはこうあってほしい、というようなものはありますか。いろんなサポーターを見ていて、サポーターの力というようなものはどう影響したのかと思われますか。

KOH先生 サポーターの力は、凄く影響したと思います。サッカーって、「12番めの選手」とも言われるサポーターの力が、すごく影響するスポーツですよね。それに、サポーターだけでなく多くの人々までが声援したくなる。なんでサッカーだけが?と言われても、実際そうなんだから、そういうもんだとしか言えません。だから、応援のしがいもあるのですけれども。サッカーって、戦国時代の戦(いくさ)にどこか似てません? だから日本でも、ワールドカップになると、普段はさほどサッカーを見ない人をも引き付けるのではないかと思ったりします。

日本代表を一生懸命応援している人を、私は「サポーター」と「ファン」に区別しているんです。ちなみに私はファンであってサポーターではないです。サポーターというのはゴール側に陣取って、彼らがリードしてくれて、日本代表の戦いをサポートしてきたと思います。今大会では、従来のサポーターだけでなく、いわゆるファンの人たちや、普段は一般のお客さんもが一緒になって、スタジアム全体がサポーターとなって日本代表に声援を送ったと思います。サポーターの力は、本当に大事だと思います。

大阪や宮城の日本戦では、中心となってきたサポーター多くがチケットがなくて入れなかったようです。大阪の長居スタジアムの日本対チュニジアの試合は、スタジアムで観戦した人の話だと、日本代表のレプリカユニフォームは着ているけれど、普段あんまりサッカーを見に行っていない人がかなり多かったと思われるって言っていました。もちろん、それはいけないことではないのですが。日本らしく平等にチケットを販売したわけですが、それがいけなかったとも思わないのですが、実際として、サポーターの後押しがいま一つだったという報告は聞いています。もちろん、サポーターの声援が大きければトルコに勝てたかどうかは、わかりませんけれども。

私は、日本代表の試合は埼玉スタジアムでのベルギー戦を観たのですが、サッカー観戦は初めてのような方もいらっしゃいました。かなりビックリされたんじゃないですか、サッカー観戦てこんなんだって。ああやってレプリカユニフォームを着て、フェイスペイントして、大声を出して「ニッポン、チャチャチャ」とか、やり続けなければいけないのか?という方もいらっしゃるみたいです。

そんなことはありません。私もやりませんし。でも私は、拍手するべき時にはしますし、声援送るときには送りますし、ブーイングもします。

いかにもサポーターのやるようなことをしなければ観に行ってはいけないのかと、そう思われる方も結構少なくないと思います。そういうことではありません。レプリカユニフォームを着ないで、普通の服装で行ってももちろん構わないし、そういう人も多いです。今回ワールドカップの試合を観に行って、みんな日本代表のレプリカユニフォーム着てたからそう思うかもしれませんが、そんなことはありませんので、これからも安心して観に行って欲しいと思います。1度スタジアムの雰囲気を味わってみられるのも、サッカーが特に好きじゃなくても、たいへん面白い、素晴らしい体験になると思いますよ。