Vol.10 スペインのデザイナー、プラダ令嬢のデビュー

コジマ嬢のお母様、ファッションデザイナーのアガタ・ルイズ・デ・ラ・プラダ氏。さすがファッション界の方、かなり斬新なドレスですね。
前回・前々回に渡り、“目まいがしそうな”歴史を持つ家系からのプリンセスを、フランスとイギリスからご紹介して参りました。最後にもうひとり、私たちにとってもう少々身近な名前のデビュタントを、ご紹介いたしましょう。スペインより、コジマ・ラミレス・ルイズ・デ・ラ・プラダ嬢です。

ご両親は、スペインの文化において大変影響力を持っているおふたり。お父様は、ジャーナリストにしてスペイン第2の新聞、エル・ムンド紙の創始者であり経営者でもあります。本も複数、出版されています。

そしてお母さまのアガタ・ルイズ・デ・ラ・プラダは、ファッションデザイナー。年に2回マドリッドとミラノでコレクションを開き、そのモダンでカラフル、オリジナリティーあふれるデザインは、もちろん日本や、世界の多くで人気を集めています。現在、ヨーロッパおよびアメリカに6軒のブティックを展開していますが、間もなく中国にも進出の予定だそうです。

コジマ孃は音楽の方向へ進んでほしいとお母さまに育てられてきましたが、実は彼女には別の計画があるのです。現在、イギリスのボーディングスクール(寄宿制学校)で歴史、ラテン語、英文学、そして政治学を学んでいる彼女は、いずれ自国の政治か外交分野で働きたい、と語っています。そして、その先にあるあらなる夢は……スペインで最初の、女性大統領になることなのです! なんという、アンビシャスな17歳なのでしょう。

コジマ孃は、他国文化に非常に興味を持ち、英語・フランス語にも堪能です。また今後、ドイツ語と中国語も学びたいと語っています。また、歴史ものから探偵ものまで、本好きなのはお父様譲りなのでしょうか。けれども彼女は、単なる“本好きの夢見るインテリ”ではありません。乗馬やファッション、そして意外にも空手まで、彼女の興味の範疇なのですから。

花道を歩くコジマ・ラミレス・ルイズ・デ・ラ・プラダ嬢。
そんなコジマ孃のソサエティ・デビュー・ドレスは、彼女の大好きなHCブランド、クリスチャン・ラクロワです。色使いや大胆な創造性に独特のスタイルを持ち、特に装飾的で豪華なところがお気に入りなのだそうです。

このデビュタント・ボールという特別な場において彼女が選んだのは、刺繍入りのピンクサテンに、銀で彩色されたチュールが覆ったドレス。大きく開いたデコルテ部分には厚みのあるフリルがあしらわれ、ウエストのブルーのリボンがアクセントとなっています。そして、ホワイトゴールドとオパール、美しいサファイヤが全体でドレスの色にとてもよくマッチしている、アドラーのネックレスとリングを合わせています。

ジャーナリズムとファッション界の申し子は、やがてスペインで両親とはまるで違う自分の夢をかなえることが、できるのでしょうか。それに向かって自国を離れ、勉強に励んでいる彼女の、可能性と意欲を、応援したいですね