デンマーク名物といえば、『スモーブロー』と呼ばれるオープンサンドイッチ。日本でサンドイッチというと軽食の印象があるが、この国のものはディナーとして通用するほど、豪華でボリュームがある。
スモーブローは“バターつきパン”のことで、一般的にライ麦パンにバターを塗り、その上にさまざまな具をのせて食べる。具は、皮をパリッと焼いた豚肉やぶ厚い生ハム、ローストビーフなどの肉。ニシンやサーモン、えび、キャビアなどのシーフード。そんな山海の珍味をパンが隠れるほど上に盛って、ナイフとフォークで食べるのだ。


八百屋
イチゴ

デンマークでは、野菜があまりとれず、生野菜や果物のデザートメニューはぜいたく品。今回のデザートメニューにするイチゴは、初夏が旬。400g入り1パックが日本円にすると約600 円で、この国の物価からするとやはり高い。



この日、アネッテさんが私たちにごちそうしてくれたのは、そんなスモーブローの感覚で食べる、茹でた小エビの前菜だった。カントリースタイルのパンにバターをたっぷり塗り、小エビをのせて食べてみる。小エビはピッと身がしまって歯応えがあり、パンと一緒にいくらでも食べられそうだった。メインの舌平目のソテーは、バターをたっぷり使っている割にはあっさり味。魚はとてもやわらかくおいしかったが、自分の好みをいわせてもらえば、前菜もさっぱり味、メインもさっぱり味なので、もう少し重ためのソースで食べてもよかったかな、と感じた。

テーブルセット

ミッケルセンさんが日常使用する食器は、すべてロイヤルコペンハーゲン社製のもの。



この日、いちばん手がかかり、最もユニークだったのは、イチゴのムースとアッシュの天ぷらのデザートだった。つぼみが開きかかったアッシュの花を天ぷらにするというのは、アネッテさんのオリジナル。薄甘いアッシュの天ぷらと、甘酸っぱいイチゴムースの取り合わせは、なんともいえない不思議な味わいのデザートだった。はかない旬の味を、大胆な調理法で食卓に乗せるセンスに、デンマークの人の“遊び心”が現れているな、と私は感じた。  


食卓に座るふたり

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取材協力/ロイヤルコペンハーゲン

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スモーブロー

『イーダ・デーヴィゼン』は、デンマーク名物、スモーブローの専門店。全長2mになるギネス級のメニューには178 種類のオープンサンドイッチがのっている。店のオーナー、イーダさんが手にしているのは、自慢のスモーブローの数々。どれもボリュームたっぷり。




イチゴとマンナ・アッシュ
のデザート

Strawberry mousse with Manna Ash


料理イメージ

デンマークではポピュラーな街路樹、マンナ・アッシュは、6月末ごろから花が咲き始め、今回のデザートでは、この花を使用する。イチゴは、自然農法で育てられたので味が均一ではなく、デザートに使う場合は甘味を砂糖などで調節する。

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マンナ.アッシュ

マンナ・アッシュは、和名をトネリコといい、6〜15mの落葉樹で、ヨーロッパでは街路樹としてどこにでも見かけられる。アッシュが分布するのは南ヨーロッパから小アジアにかけてで、昔から甘味のある樹液は食用や緩下剤として使われてきた。