何の予告もせずにいたが、実は今回でこの連載は終わりである。

最初から半年、ということで始めたので、予定通りではあるのだが、私自身、すっかりそれを忘れていて、「あと1か月だ、頑張ろう!」とか、「ラストスパートで一気に痩せよう!」なんてことも思わずに過ごしてしまった。もしかしてそういう決意があれば、何か起きたかもしれないと思うと、非常に残念である。

恐らく実際には、そんな決意くらいで私の体に取り付いている贅肉が、簡単に削げ落ちてくれるようなことはないだろうけど、前回の連載の時にはラスト1週間で1kg落とすことができたので、そんなこともあったかもしれない。

報告の順番が逆になってしまったが、私は今週、最後だということとは全く関係なく、先週の500g減をキープしつつ、更に500g痩せることに成功した。何だか体が痩せる方向に向き始めたみたい……と思った矢先に連載終了を知らされ、余計に残念に思った次第である。

それにしても半年で1kgしか痩せられなかったとは、我ながらかなり情けない結果だ。ちまたに溢れているダイエットの広告では、「1か月で10kg」「2か月で15kg」なんてざらにあることを思えば、本当に困った数字である。私はもちろん、健康的に痩せたいと思っているの、1か月に10kg落としたいなどとは思わないが、それにしても1か月に1kgも落ちなかったのかと思うと、ちょっと悲しい。

けれど、それでも私はこのポイント式・低インシュリンダイエットでダイエットをして、よかったと思っている。

なぜなら、健康状態がすこぶるよいからだ。思い起こせば幼少の頃から、季節の変わり目には必ず風邪を引き、扁桃腺持ちなので、風邪を引けば必ず高熱を出していた私が、このダイエットを始めてから、一度も風邪を引いていない。もちろん、不規則な生活が続けば、体調が芳しくないこともあるが、寝込むようなことは一切なかった。

実際に痩せたことによって体は楽になり、息切れや動悸もなくなったし、運動を毎日続けたことで、体力も付いた。定期的に行っている献血の結果も、至って健康、どの数値も平均内に収まっている。30歳を過ぎてから、同級生たちがさまざまな病気にかかったり、疲れやすさを訴えたりする中で、20代の時以上に体力が付いたというのは、物凄いことではないだろうか。

余談だが、先日久し振りに会った友人が見事にダイエットに成功し、見るからにほっそりとしていたので、理由を聞くと、今年の初めに行った健康診断で、さまざまな数値が平均値を超え、医師から「痩せるように」と言われ、ダイエットをしたのだと言う。

半年間で10kg痩せ、再び健康診断を受けると、前回越えていた数値の全てが、平均内に収まっていたのだそうだ。私はこの話を聞いて、「やっぱりデブは万病の元だ!」と改めて実感した。ちなみにこの友人は、私のこの連載を見て、食事内容を変えただけで痩せたそうである。私より成果を出したというのは、全く持って見事な話だ。

痩せたい、と思っている人は世の中にたくさんいる。ダイエットにチャレンジする人も、大勢いるだろう。

痩せたいと願い、ダイエットを始める理由は人それぞれあるだろうが、「モテたい」「水着が着たい」「おしゃれがしたい」など、どんな理由で始めたにせよ、ダイエット成功者が手に入れるものは、最初に思っていたもの以上のさまざまな「成果」であることは間違いない。

私も、この二回の連載を通して、心身共にさまざまなことを学んだような気がするし、健康と、それを維持するための「習慣」を手に入れたことが何よりもの収穫であったことは間違いないと思う。

平均寿命はどんどん延びている。同じ長生きするなら、いつまでも美しく、そして健康であることが何よりであり、それを維持するのは薬やエステではなく、最終的には自分自身でしかあり得ないのだ。

たった1kgしか痩せなかったけれど、少なくとも1年以上、今の体重を維持し続けているのだから、これからも気を抜かず、少しずつでも体重を減らして、いつかかならず50kgを切ってみせようではないか!

ダイエッターの諸君! これからも共に、頑張りましょう。