最近、すこし体操のメニューを変えてみた。あまりに体重に変化がないので、いろいろ悩んでいたのだが、食事メニューはずっとポイントを超えていないし、今の生活で変化を持たせるとしたらなんだろうと考えたのだ。

そんな時、年齢がある程度いった場合、多少の有酸素運動を取り入れないと痩せにくいという話を聞いた。有酸素運動は逆に脳内に食欲を刺激する物質が出るため、やり過ぎるとかえって太る…ということも聞いたことがあるのだが、寝る前に少しだけやって、食欲を刺激されても食べずに寝てしまえば、多少の効果があるかもしれないと思ったのだ。

それで、テレビで紹介していた「ウエストを細くするための腹筋」というのを、やり始めることにした。って、単に起き上がるとき上半身をねじるだけの腹筋なのだが、たるんでいた私のお腹には、これが結構効くのである。連日暑い夜が続いていることもあり、ヨガをやっただけでも汗だくだというのに、それにプラスして腹筋をすると、なんともいえない充実感を得られるほど、体はどっと疲労する。でも、それが心地よい。

体操と腹筋が終わったらシャワーを浴び、クーラーの効いた部屋でしばらく涼んでから寝る…というのが新たな生活パターンになった。

信じられないかもしれないが、この腹筋をプラスして10日もすると、その効果はすぐに現れた。体重こそ変わらなかったものの、スカートがゆるくなったのだ。いつも履く前に、瞬間息を吸ってお腹をへこませてからホックを止めていたスカートが、何の苦もなく締まる快感。近頃の私は、スカートを履くたび、ウエストが細くなったことを実感している。

ダイエット生活では、「我慢」は日常であり、「褒美」は滅多にない。体重が減る、というのがいちばんわかりやすい褒美なのだが、それが得られないと、ただひたすら「我慢」のみの生活が続く。こんなに我慢しているのに、褒美のひとつももらえない…というのは相当なストレスだが、この「褒美」は、決して他者から与えられるものでなく、自分自身で作り出さなければならないものだから、相当に努力しなければ得られるものではない。しかし、そういう生活が長く続くと、褒美をもらえる瞬間はかなり少なくなっていくのも事実である。

だから今回、ほんの少し体操メニューを増やしただけで、はっきりとした効果が得られたことは、大変に喜ばしいことである。褒美は何でもいい。人から「痩せたね」と言われることでも、前は恥ずかしくて着られなかったミニスカートやノースリーブを着てみようと思える気持ちの変化でも、もちろん体重が減ることでも、ダイエットに励みになる褒美は、たくさんある。でも、ある程度痩せてくると、その褒美の数は、当たり前だが減っていくのだ。

小さい変化も「褒美だ」と自分に言い聞かせ、日常に彩りを加えながら、長く続くダイエット生活の支えにしているのである。