あっという間に、この連載も2か月めに突入してしまった。先週、一瞬だけ「100g減る」という喜ばしいことがあったが、結果的には2か月間、何の変化も成果もなしである。

いや、2か月どころの話ではない。昨年の4月に今の数字を見て以来、10か月もの間、私の体重はずっとここから減らないのだ。これは「停滞期」とかとは別の話かもしれない。前回の連載中、53.5kgという体重をキープしたまま数か月間、まったく体重が変動しなかった頃、ダイエット塾の七尾先生から、「みかんさんの体は、その数字が一番しっくりくるのでしょう」といわれたことがあった。

つまり、痩せているとか太っているということとは別に、体が「この数字くらいがちょうどいい」と思っている体重というのがあるらしいのだ。

確かに私は、人生の長い時を「53kg」という数字と共に生きてきた。忘れもしない20歳の頃、人生で始めて本格的に太ったときの最高体重が「53kg」。その体重から一度45kgまで痩せて、以後数年間、45kgと53kgを行ったり来たりしていて、27歳くらいから再び太り始め、60kgぐらいと53kgの間を行ったり来たりし、そして最後に66kgという数字を見たのだ。そう考えると、27歳の頃からずっと、53kgを下回ったことがないということだ。

これは体が間違いなく、「私は53kgが心地よいの」と思っている、いや、思い込んでいるといっても過言ではないだろう。いくら私が「思い込むな!」といってみても、多分体のほうは、「何故? こんなに楽なのに?」と問い返してくるに違いない。問い質したいのは私のほうである。どうせ「心地よい」と思うなら、どうして45kgくらいの数字にしてくれないのだろうか。

私は10か月間かけて、「いいえ、あなたの体が本当に心地よいのは、こんなにデブな数字ではないはず」と必死になって体にいい聞かせてきた。その結果減ったのは、わずか500gである。頑固というか、思い込んだらどこまでも…という自分の肉体の性格(?)が腹立たしい。

これだけ長い間努力を続ければ、いい加減「あら、もしかしてもう少し体重が少ないほうが、私って楽なのかしら?」というふうに、気が付いてもよいんじゃないだろうか。体が勝手に思い込んでいるということを抜きに、私の経験からくる実感でいえば、47kgくらいが一番好ましい。

心臓や膝に負担が掛からず、洋服も大抵のものは着こなすことができる。人から「デブ」と呼ばれることもないし、気を抜いた時に撮られた写真を見て、「ゲッ」と目を逸らすこともない。

身長からいけば45kgくらいでも全然「痩せすぎ」とはいえないが、45kgにまで落とすほどのダイエットはかなり辛かったし、年齢と共に多少増えても仕方がないということで、私としては47kgに戻したい。

ということは、あと約5kgである。
5kgといえば、前回の連載スタートのとき、3か月で落とした数字だ。
「あと5kg痩せれば、あなたはもっと心地よくなるのよ」
思い込みをなくすよう、肉体に向けて日々、いい続ける私である。