あこがれの地、アメリカの砂漠(アリゾナ・ユタ州)は、常に私の頭の隅にある。約10年前、雑誌のための撮影で、私は初めてそこを訪れた。次から次へと広がる息を飲むようなパノラマに感動し、泣きそうになったどころではなく、突然現れたグランドキャニオンを目の前にした時、私は本当に泣いてしまった。そこには言葉では説明しきれない、私の持つすべての感覚に、ずーんと深く響いてくるものがあった。それ以来ずっと変わらず、アメリカの砂漠は、私にとって特別な場所となった。


その砂漠の空気とエネルギーを、体が切望していると感じていた私は、2002年12月、アメリカに向けて旅に出た。そしていくつかの目的地の中の1つに、セドナ(Sedona)を選んだ。漠然とネイティブアメリカンとその精神エネルギーに興味を持っていた私に、「だったらぜひセドナに行ってみたら?」と、そのことに詳しい方から、アイディアをいただいたからだ。


日本からまずラスベガスに降り立ち、エアポートでジープをレンタル、私は心おどらせながら砂漠のドライブに出発した。州道40号線をフラッグスタッフ(Flagstaff)から約48km南下したところに、セドナの町はあった。アリゾナは乾燥した砂漠地帯が多いのだが、オーククリーク・キャニオンの入り口にあたるセドナには、川が流れ、木々が生い茂り、そのイメージは乾燥した砂漠地帯とはまったく別世界だった。なによりも、「ハイウエー・89A」を走っていると、次々に現われる赤い岩の山々は、衝撃的なほど美しかった。



◆セドナへのアクセス
日本からは、サンフランシスコまたはロサンゼルス経由でフェニックス(Phoenix)に飛ぶのが一般的。フェニックスからセドナまでは、車で約2時間の距離。フェニックス〜セドナ間は、1日8往復のシャトルバスが運行している。片道40ドル、往復65ドル。
www.sedona-phoenix-shuttle.com

空港のあるエアポート・メサ(Airport Mesa)からの風景。セドナの美しいロック・フォーメーションが見られる。山の手前に広がるのがセドナの町。Mesaとは「高台」の意味。  


州道179号線が89A号線にぶつかり、Y字を形成しているところにセドナの町がある。


絵や工芸品のギャラリーが集まっている(テラカパキ・アーツアンドクラフツ・ビレッジ)Tlaquepaque Arts&Crafts Villageのエントランス。セドナで行なわれるさまざまなカルチャーイベントは、この土地を訪れる楽しみのひとつでもある。


Coordination/Jeffrey Dean Kennel

取材協力/アリゾナ州政府観光局(Arizona Office of Tourism)www.arizonaguide.com

セドナ・オーククリークキャニオン商工会議所(Sedona-Oak Creek Canyon Chamber of Commerce)www.VisitSedona.com