「インディアン(ネイティブアメリカン)の生活って、どんなだろう」とアメリカ人の友達に聞くと、「今では普通のアメリカ人と変わらない生活だよ」と答えられ、随分ばかな質問をしたなと後悔した。

考えてみれば、私はインディアンリザベ−ション(インディアン居留地)辺りの町でレストランに入った時、そこで働いているたくさんのインディアンに会っているし、スーパーマーケットで買い物をしている彼等の姿もさんざん見かけていた。なのになぜかインディアンというと、つい映画「ダンス ウイズ ウルブス」のインディアンを想像してしまう。大自然と融合し、強い意志を持ちながら、常に魂の声に耳を傾け、ひたむきに生きていくインディアン。それは、人間の本来あるべき姿のように思えて、あこがれてしまうのだ。「そんなルーツを持っているインディアンに、ぜひ会ってみたい」これが、私の旅の目的の1つになった。

ア−ロン・ホワイト (Aaron White)は、母がユト族(Northern Ute)、父がナバホ族(Navajo)の、ネイティブアメリカンのミュージシャンだ。

澄み切った冷たい空気が気持ちよく、前日に降り積もった雪がきらきら輝く景色の中、私はセドナから、彼が住んでいるフラッグスタッフに、車を走らせた。待ち合わせ場所を見つけるのに、多少てこずり、ほんのちょっと遅れてたどり着いた場所に、黒い髪を後ろでひとつに束ね、カジュアルないでたちのアーロンはすでに到着していた。

彼はミュージシャンでありながら、古くから伝わるインディアンの楽器のフルート(たて笛)を、自分のオリジナルスタイルで、制作するアーチストでもある。そのフルートはJackson Brown など、数々の有名アーティストに愛用されている。その工房も見せてもらいたいという、私の要望から私達は彼の家に向かうことになった。




アーロン・ホワイトは、セドナに住むネイティブアメリカンのミュージシャン。彼はミュージシャンでありながら、古くから伝わるインディアンの楽器のフルート(たて笛)を、自分のオリジナルスタイルで、制作するアーチストでもある。




アーロン・ホワイトのアルバムは、グラミー賞のベストネイティブアメリカンミュージックアルバム部門の、「ベスト5」にノミネートされた。




Coordination/Jeffrey Dean Kennel

取材協力/アリゾナ州政府観光局(Arizona Office of Tourism)www.arizonaguide.com

セドナ・オーククリークキャニオン商工会議所(Sedona-Oak Creek Canyon Chamber of Commerce)www.VisitSedona.com