ダイニング・ルームはどのキブツでも同様だが、たんに食堂というだけでなく、全メンバーやその家族の集会場にもなっている。まさに皆が1日1回は顔を合わせるところ。そして、時には直接選挙の政治の場にも使われるし、結婚式の披露宴の場に使われることだってある。とにかくキブツのど真中ということだ。
そこに、いきなりやってきた我ら珍しい東洋からのボランティアたちも加わる。それもへンな日本人が10人近くも来ると、みんなきっとビックリするんだろう! と思っていたが、いざいってみると「ああ、新入りか!」くらいの表情。誰も、ちっとも驚いたりしない。“集団生活とはいっても、我が家の食卓にいきなり見ず知らずの得体の知れない外国人が来たら、さもビックリだろう”とは、あまりに島国的発想の自分たちだけだった。ここにはイスラエル国民であるキブツニックのほか、他国のボランティアには白人もいれば黒人、黄色人種もいた。
そしていちばん驚いたことには、アラブ人でさえいた。聞けば、イスラエルにはユダヤ人と共存を望んでいるアラブ人もいるんだそう。だからキブツに限ったことでなく、イスラエルにはユダヤ人支配地域で働くアラブ人たちも結構いるのだ。
そんなことを思いつつ、わずか300〜400名ぐらいの国際都市“ダイニングルーム”でインターナショナルな生活がいよいよ始まった。毎日の労働時間は8時間。それも朝6時間からレジャーの時間までたっぷりと充実の時間が過ごせる。で、朝食を終えて、いよいよ一日の本番の時間に突入するわけだが、以下次号、こうご期待!
|