最初に訪ねたキブツは、イスラエル最大の商業都市・テルアビブから車で約30分。ナタニアというリゾート都市の手前、10分程度のところにあるキブツ・ヤクームにいきました。ここは約1000名ほどの人々が暮らす、ごく平均的なキブツ。最初は言葉の心配もあったので、イスラエル大使館の付属機関・日本コムナー協会が毎年実施している、ボランティア・グループに混じって行きました。(日本コムナー協会/電話03-3264-0528)
すでにオヤジになりかけている私ですが、平和ボケ度は今日このごろの日本人としてはごく平均的。その私はまず、イスラエル行きの飛行機に乗るときにビックリ!
入国の中継点となったロンドンで、テルアビブ行きのELAL(エルアル)機に乗ろうとしたが、そこで空港管制官から3度、4度も質問責め。「誰かに不信な荷物を頼まれていませんか?」「知らない人に、あなたのバックを触られたことはありませんか?」「本当に自分のものだけですか?」。そんなことを3人、4人の空港管制官が入れ替わりに次々と聞いてくる。
そして、インタビューが終わると、その話に矛盾点がないか皆で整合する。テロリストの乗機を避けるため、時には一人への質問というか、尋問が30分近くかかる。特に東洋人は、かつて岡本孝三がテルアビブ空港で銃乱射の事件を起こして以来、神経質とか!? そんな、嘘とも本当ともつかない言い伝えがある。ともあれ、急に、臨戦体制の国に入国する緊張感に、一同ビビリ出す。
しかし、そんなことも機に乗り込むとすぐに忘れてしまう。これまで飛行機には何度も乗っていたつもりだが、日本の国内便や国際便とは違う。なにが違うって、乗っている人間の人種が日本では見なれない人ばかり。日本からはるか遠くに来たことを実感する。やがて、飛行機は南欧を越え、中近東に入っていくと陸には雲も少なく、機上からだけでも、太陽ばかりが輝く中近東に来たことに魅了されてしまいます。
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