LADYWEB 5年前といったら、加茂監督が中田を絶賛していたころでしたっけ?
KOH先生 そうですね。ただ、ボランチがが攻撃的にいくと、当然、最終ラインの前が手薄になりますから、センターの守備面が少し不安にはなります。日本の最終ラインは、数だけいても身体的に弱いですから。日本はあんまり点を取られないから、ディフェンスが強いと思っている人もいまだにいるんですけど、日本の一番の弱点の1つはディフェンスなんですよ、実は。 LADYWEB 身体能力の違いですか? 競り合いに弱いと。 KOH先生 競り合いにも弱いし、1対1に徹底的に弱いですよね。1998年のワールドカップの時に、アルゼンチンに0-1、クロアチアに0-1で、守備は結構世界に通用したじゃないとか、サポーターの中にも言っている人がいましたが、自分のゴール前でへばりついて亀の子みたいに守ってばかりいれば、確かに失点は1点か2点で防げるでしょう。でもフットボールって攻防一体なわけですから、攻めなきゃいけないじゃないですか。ちょっと攻めにいくと、もうやられてしまう。そうすると、最終ラインの前のボランチの守備能力が、大変重要になってきます。 じゃ、ジーコが守備に関してタクティクスとかあるかっていったら、どうなんでしょう。鹿島アントラーズを見ていても、センターバックに少し弱点があると見ると、ブラジルからファビアーノという選手を呼んできたり、左サイドバックが物足らないと見ると、やはりブラジルからアウグストを呼んできたり。アントラーズが割とうまくいっているのは、ブラジル人選手を呼んで強化しているわけです。でも、ナショナルチームはそうはいかない。さあ、どうしてくれるのか。 LADYWEB 私はジーコがすごい好きなんですよ。住友金属に来たときも嬉しくて、Jリーグも鹿島を応援してたんです。プレーのすごさは飛び抜けてましたから。だから、期待しているいんですけど、ジーコがヘマして、マスコミがジーコ批判なんかを繰り広げたらいやですね。 KOH先生 私はジーコにひとつだけ要望があるんです。監督って、試合でベンチに入った時、ジャージの人もいるけども、だいたいちゃんとネクタイとスーツを着てます。ジーコって、総監督としてアントラーズの試合でベンチに入る時も、監督代行でベンチに入っていた時も、ジーンズにTシャツにジャケットなんです。できれば、日本代表の監督としては、ちゃんとスーツ着て欲しいなあ。まあ、何を着てもいいんですけどね。 話は変わりますけど、どんどんトップ下がね、もう最近からそうだったんだけど、トップ下の選手っていうのは、例えば中田英寿みたいに、ゲームメイクをするっていうだけじゃダメになってきましたね。どこのチームの選手補強を見ても。トップ下はゴールをする人、シャドーストライカー。だから、中田はもうヨーロッパのクラブではトップ下はさせてもらえないですね。これから飛躍的に得点能力が上がらないかぎり。得点能力はあるんだけど、本人のトップ下のプレーヤーとしてのイメージが、攻撃を司る、ゴールもするんだけど、基本的にフォワードの選手にゴールさせる、そのための決定的なチャンスを作るっていうのが第一ですよ。 ところが世界的な潮流では、ヨーロッパではそうだったんですけど、ますます今度のワールドカップが終わって、トップ下はもう、9.5番ってよくいいますけど、9番が点取り屋で、10番がゲームメーカー、でも9.5番じゃなきゃいけない。だから、パルマには今度ブラジル人のアレックスが来たんですよ。アレックスっていうのは、シドニーオリンピックの時のブラジルの10番ですよ。ワールドカップには出てないですけど。で、アレックスと中田、どっちが得点能力あるかっていったら、アレックスですよね。中田はどこやるんだろうっていう。ペルージャの時は点をよく取ってましたけど、あれはワントップで、ウィングがいて、中田が点を取らなければいけないフォーメーションだったから、よく取ってたわけで。 中村俊輔のレッジーナも、4-4-2で、さっきいった中盤が台形の4-4-2なんですよ。俊輔はたぶん左サイドをやらされると思うんで、ここはトップ下ではありませんから、あんまり中に入ってもいけないし、でも前めの中盤ですから、できるかぎりね、ゴールを狙って。やっぱり外国人ですから、点取らないとダメですよ。だから鈴木隆行君も早く点を取って。がんばってください。隆行君も。そこそこやれるはずなんだけどね。まあ早く点を取って、公式戦で、本人の気が楽になれば。(2002.7.31) |
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