注目の若手スター、タラ・レイド

タラ・レイド(Tara Reid)
タラ・レイド
(Tara Reid)
タラ・レイドの代表作『アメリカン・パイ』
タラ・レイドの代表作
『アメリカン・パイ』
ハリウッドは、なんといっても実力主義。演技力が評価されなければ、スターの階段をのぼることはできません。現在でも、若手ながら、数々の作品で存在感のある役を演じ、今後が注目されている役者がたくさんいます。今回ご紹介する、タラ・レイドもそんな若手実力派女優のひとりなのです。

1999年に公開された『アメリカン・パイ(American Pie)』。ハイスクールを卒業するまでに“童貞喪失”を目指して奮闘する、高校生ダメ4人組の姿をコミカルに描いた、青春コメディ映画です。この作品でタラ・レイドの人気は確実なものになりました。脇役的な存在にもかかわらず、彼女の個性的な演技力が注目され、10代の若者に圧倒的な人気を集めるようになりました。その続編『アメリカン・サマー・ストーリー(American Pie2)』にも彼女は同じ役柄で出演しています。

1975年、ニュージャージー州に生まれたタラ。4歳の時、ショッピングモールでダンスをしている姿がスカウトの目にとまり、6歳でマクドナルドなどの CMに出演するようになります。10代になると、ニューヨークの演劇学校で演技を学んだ彼女は、1987年の『新・死霊伝説(A Retarn to Salem's Lot)』で映画デビューを飾ります。学校の同級生には、サラ・ミシェル・ゲラー(Sarah Michelle Gellar)や、メリッサ・ジョーン・ハート(Melissa Joan Hart)など、タラ同様、今注目されている若手スターも在籍していました。

彼女が注目され始めたのは、1998年の『ビック・リボウスキ(The Big Lebowski)』に出演してからです。それまでは、TV番組でレギュラー出演をしてキャリアを積んでいたのですが、この作品で演じた若い美人妻役が評価され、その後も『Dr.Tと女たち(Dr. T & Women)』や、『プッシーキャッツ(Josie and the Pussycats)』など、話題作に出演するようになりました。

映画の中では、主役ではなく、二番手の役が多い彼女ですが、その演技力には確かなものがあります。そうでなければ、実力主義のハリウッドで、ここまで注目されることはありません。『アメリカン・パイ』出演の後、タラは「私はセクシーな役じゃくても、上手にできるわ」と豪語していましたが、事実、レイチェル・リー・クック(Rachael Leigh Cook)と共演した『プッシーキャッツ』での、とぼけたコミカルな演技で、私たちを笑わせてくれました。

そんな彼女は、今、人生最良の時を送っています。ニュージャージーでの子供時代から夢見ていた、有名人の派手な生活を楽しんでいるのです。MTVの最高視聴率を誇るショー『Total Request Live』のホスト、カーソン・ダリーとの婚約を解消し、「今は私の独立の夏よ、私を引き戻すものは何もないわ」といっては、自由気ままに、人生を謳歌しています。

ゲーム業界アナリスト、34歳のジェイソン・エイダーと噂になったかと思えば、休暇中、南フランスのナイトクラブで、ある男性と姿を消したり、また、友人の交通事故の偽証をしてマスコミに追いかけられたりと、スキャンダラスな話題に事欠かない彼女。

確かに、輝かしいキャリアを持ち、ある程度の名声を得た彼女ですが、少し調子に乗りすぎている気もします。まだまだ天狗になる時期ではありません。大スターへの道は厳しく、険しいものです。でも、私は彼女が真のスターになる素質を充分持っていると信じています。それは、彼女が作品の中で証明してくれるでしょう。これからも期待しています。
カオリ・ナラ・ターナー
日本人初のメイクアップ・アーティスト・ユニオン正式会員であり、ハリウッドで働くメイクアップ・アーティスト。アカデミー賞受賞作品『アメリカン・ビューティー』や人気テレビ番組『アリー・myラブ』などで活躍する他、後進の日本人の指導にも精力的にあたっている。