世界三大料理の「トルコ料理」と
「世界遺産」を巡る旅

トルコというと、どんな国かご存知ない方も多いと思います。西にギリシア、東にイラン、シリアという、ちょうどヨーロッパとアジアの境目に位置する国です。そんなトルコは、西洋と東洋の文化が入り混じり、歴史的建造物、自然がつくり出した奇岩のカッパドキアや真っ白な石灰の城パムッカレなど、不思議な見どころの多い国。また、トルコ料理は世界三大料理の1つでもあるのです。私はそんな魅力いっぱいの国、トルコを旅してきました。

自由旅行をするうえで、重要になってくるのが、移動手段の確保です。その点ではトルコはとても旅行がしやすい国だといえます。というのは、長距離バスの路線が充実しているからです。本数も多く、ほとんどのバスがエアコン付きで、大型のベンツ製ハイデッカー車なので、長時間でも快適に旅をすることができるのです。バス会社によって異なりますが、車内には添乗員が付き、飲み物やおやつを出してくれます。私はイスタンブールからイズミールまでは飛行機で移動したものの、それ以後、イズミール─エフェス─パムッカレ─アンタルヤ─カッパドキア─イスタンブールと、トルコの左半分を反時計回りにバスで移動しました。

イスタンブールはボスポラス海峡を境にヨーロッパ側とアジア側に分かれ、ヨーロッパ側はさらに新市街と旧市街に分けられます。イスタンブールの観光スポットはほとんどが旧市街にあります。街を歩いていると、本当にアジアとヨーロッパの中間なのだと実感させられます。それは、ヒゲの濃いいかにも中東といった感じの人がいれば、スタイル抜群のヨーロピアンぽい人がいたりするからです。ただ、町並みはほとんどヨーロッパ的というか、地中海的な感じがしました。

イスタンブールの眺め。手前が旧市街、ガラタ橋を渡った先が新市街。海峡を隔て上部がアジア側である。

 

トルコミニ知識/強烈に安いTL(トルコリラ)
空港に着いてまず5万円を交換してみると約70,000,000TL(トルコリラ)になって返ってきた。いきなりものすごい額のお金を手にして、いったい何円が何TLに相当するのか、さっぱり検討がつかない。これからトルコを旅するうえで、何を目安にすればいいのか頭を抱えてしまった。悩んだすえ、100円≒14万TLという目安を使うことにした。近年トルコのインフレはとくに激しく、為替レートは常に変動しているようである。実際、商店などでの金額の表示には0が4つ(1万より下の位が)カットされていることが多い。おつりで硬貨をもらうことがあるが使うことはまずない。

 

さて、ひと通り見たところで、世界三大料理の1つといわれているトルコ料理を味わってみることにしました。まずはケバブに挑戦です。ケバブとはお肉のグリル料理の総称で、羊肉を串焼きにしたシシ・ケバブがポピュラーです。正直いって、なにも味付けがされていないので、私の口にはあいませんでした。ただ、固めた羊肉を回しながら焼き、それを薄く削ってパンにはさんで食べるドネル・ケバブのほうはおいしかった。ファーストフード感覚で楽しめます。それよりも私が気になったのは、トマトとパンです。トルコ料理にはトマトを使った料理が多く、朝食にもスライスがたいてい出されます。タネの部分が少なく、実が引き締まっていてとてもおいしいのです。パンは大きなだ円形で、スライスされて出てきますが、何もつけていなくてもとってもおいしいんです。トルコ式の朝食はパン、白チーズ、トマト、オリーブ、チャイ(紅茶)が定番で、私はこの朝食が大好きでした。

 
ブルーモスク。旧市街にあり、このまわりには他にも観光スポットが集中しているので、外国人が多く集まる。

トルコミニ知識/英語が通じない?
トルコの公用語はトルコ語。英語を話せるという人は多くないが、外国人が多く訪れる観光地のホテルやレストランではほとんど英語が通じるので問題はない。イスタンブールの中心地でも、ちょっと入った場所では英語が通じないことがある。他の都市でも同様で、観光地から離れたところで、若いトルコ人に英語で話しかけても、外国人に話しかけられた日本人のような困惑の表情を浮かべるだけである。