私はトルコに来たら、必ず訪れたい場所が2つありました。それは両方とも、自然がつくり出した不思議で幻想的なところなのです。その1つがパムッカレです。「綿の城塞」を意味するパムッカレは、その名の通り、斜面全体を覆いつくすような真っ白い段々畑が広がる石灰棚です。各棚には淡い水色をした温泉水が溜まっています。遠くから見るとスキー場かと思えるような、その棚を裸足で歩くことができるのです。自然がつくり出したこの景観はとても幻想的でした。ただ、最近では観光開発のあおりで、温泉が枯渇してきたため、石灰棚にはそれほど水が溜まっていないそうで、とても残念です。もう1つは世界遺産にもなっているカッパドキアです。広大な土地は、どこかの惑星かと思えるような奇岩で埋めつくされています。その眺めは本当に不思議でした。これが、火山岩が雨風に侵食されてできたものだとはとうてい思えません。ちなみにカッパドキアワインはすっきりしていておいしかったです。
さて、またトルコ料理についてお話ししましょう。ケバブはいまいちでしたが、魚介類はたいへんおいしかったのです。ガラスケースにディスプレイされた魚を選んで好みの調理をしてもらえる店がありました。そこで食べたボイルのエビとヒラメのムニエルは、今まで食べたことのないくらいのおいしさでした。イスタンブールの旧市街のクンカプとい場所には、シーフードレストランが軒を連ねるストリートがあります。石畳のそのストリートは、どこもオープンカフェ風になっていて、とても雰囲気のよいところです。味のほうも素晴らしく、とくにロブスターは高かったのですが、今まで食べたどこの高級レストランよりもはるかにおいしく、上品な味でした。私は魚介類に関してはたいへん満足しました。 |