聖なる河ガンガーをのぞむ

この歳になって、冒険をしてみました。インドに行ったのです。それまではヨーロッパやリゾート地ばかり旅行していた私。このあたりで、ひとつ日常のマンネリを打破し、人生観の変わるようなことをしてみようと思ったのが、この旅のきっかけです。今回、女友だちと3人旅で行くことにました。

インドは雑然としているとか、恐いとか、あまりいい印象を持っていませんでした。しかし、いろいろインドについて情報を集めているうちに、けっこう魅力的なところだということがわかってきました。ぜひ訪れたい観光スポットがたくさんありすぎて、限られたスケジュールの中で、どうルートづくりをすればよいか悩みました。中でも絶対に見たいと思ったのが、バラナシ(英語なまりではベレナス)での沐浴です。インドの人はガンジス河(現地の人はガンガーと呼ぶ)に入って、体を洗って身を浄めるのだそうです。私は宗教的なことはわかりませんが、なぜだかとっても、その沐浴が見たくなりました。

バラナシのガンジス河周辺の街並。この地に各地からインド人が集まるので、いろいろな商店が軒を連ねている。いつも、このようににぎわっている。

インドミニ知識/インドの宗教
バラナシは確かに聖地だが、すべてのインド人にとってそうだというわけではない。インド人のうちの83%を占めるヒンドゥー教徒の聖地がバラナシなのである。イスラム教徒や他の宗教の人たちには関係ないし、沐浴もしない。ちなみに、インド人というとよく頭にターバンを巻いているのを連想するが、ターバンを巻くのはスィーク教徒で、インド人の約2%しかいない。

 

バラナシはデリーとカルカッタの中間くらいに位置しています。ヒンドゥー教徒のインド人なら、「死ぬまでに1度は訪れたい場所」、「死ぬならバラナシで」というほどの聖なる地。長い長いガンジス河の中でも特別な場所なのです。だから、多くの人がインド中からやってくるそうです。

デリーから入った私たちは、いきなり予約していたホテルがNo Booking!という事態にみまわれたりしましたが、タクシーの運転手が助けてくれて、インド人っていい人たちだなと感じました。アーグラのタージ・マハールを見たあとで、だいぶインドにも慣れてきた私たちは、いざバラナシに向けて出発しました。

死ぬまでに1度は訪れたい、というインド人には申し訳ないですが、デリーから飛行機で1時間15分で、あっけなく聖地バラナシに到着しました。空港にはものすごい客引きの数でしたが、予約してあるホテル(HOTEL hindusthan international)の人が迎えに来てくれたので助かりました。沐浴は早朝がもっとも盛んで、見学ツアーもあります。私達もホテルで、翌朝6時のツアーに申し込むことにしました。この日は周辺を散歩しただけで、明日の早朝の沐浴のために早々と寝ました。

 

沐浴をしている。このガートは、外れのほうにあるので、人は少ないが、河に入って、身を浄めている。