沐浴見学に出発!

朝5時半起床。さっそくガイドの人と沐浴見学に出発です。車から降りて、ものすごい迷路のような路地をくねくね歩きます。ガイドがいなければ、けっしてガンジス河には出られないような道です。しかも突然牛がいたりして、驚き。そうこうしているうちに、出ました。ガンジス河です。ちょっと霧がかかっていましたが、それはそれは広大でゆるやかな流れの河でした。ガンジス河はミルクティーのような濁った色の水だと思っていましたが、想像していたよりは澄んでいました。沐浴は河に面した大小たくさんある「ガート」と呼ばれる階段状の石畳で行われます。その階段を降りて河に入るのです。私たちは、折れそうな細い腕のおじいさんが漕いでくれるボートにのって、沐浴を見学しました。

 

ガンジス河に面するガート。ここで沐浴をする。ガートに接するように、たくさんの建物が建っている。右側に見えるボートは観光客が見物するためのもの。

インドミニ知識/聖なる河ガンジス河
ガンジス河(ガンガー)は聖なる河とされているが、そのわりに水は清く澄んでいるわけもなく、濁っている。それでもなぜ、聖なる河なのかというと、ヒンドゥー教徒のもっとも崇拝するシヴァ神の髪から滴り落ち、座った足下から流れているからだそうだ。バラナシで沐浴することは、特別な意味がある。ここで沐浴をすると、現世での罪が洗い流され、来世ではもっと安楽の世界に行けると人々は強く信じている。

 

いました、いました、たくさんいました。たくさんの人が沐浴をしています。お祈りをしている人や首まで浸かっている人などもいました。体を洗っている人は男の人は上半身はだか、女の人はサリーを着たままです。ザブザブと潜ったりする人もいました。私たちの他にも、沐浴を見学している観光客がいましたが、そんなことにはお構いなしで、彼らは真剣にお祈りをして、沐浴をしていました。折れそうな細い腕のおじいさんに2時間もボートを漕いでもらったので、期待していた以上の沐浴を見ることができました。日が昇り、霧が晴れてくると、ガンジス河の西側はずっとガートになっていて、すごい眺めだったことに気づきました。ガートに接して、たくさんの建物がごちゃごちゃと建っていて、煙りの上がっている火葬場などもありました。ちなみに、そんな西側に対して、東側は何もない不毛地帯。この対比がすごい。私たちは、そのなにもないところに行ってみました。本当にただの砂地でした。

 
ガンジス河の東側。にぎわっている西側とは対照的になにもない不毛地帯。
インドミニ知識/インドの水
海外に行くときの常識のひとつだが、インドも例にもれず生水を飲んだり、火を通していない食べ物は要注意である。いろいろな屋台から、おいしそうなにおいが立ちこめていたりするが、つられて何でも食べてしまうと、大当たりすることがある。私達のうちの1人も、お腹をくだして大変だった。日本の正露丸も効き目がなく、ホテルの人に頼んで3錠の薬を飲んで、ようやくおさまったほど。衛生状態があまりよくない地域ほど、日本人のもろさが顕著にあらわれる。

なごり惜しくバラナシをあとにした私たち。そのまま、カルカッタに行き、1泊して無事に日本に帰ってきました。よく、インドに行くと人生観が変わるといいますが、本当にインドの人々はその日、その日を生きている気がして、些細なことで悩んでいる暇なんかないと感じました。しかし、その言葉には続きがあります。確かに、インドに行くと人生観が変わりますが、日本に帰ってくるとまたもとに戻ってしまうということです。でも、いい経験ができたことは事実です。

高田敦子 PROFILE
29歳。ヨーロッパやリゾート地がお気に入り。まとまった休みが取れると、優雅な旅行をしてきたが、少し目先の変わったところに行きたくなり、インドを目指す。今回の旅で、アジアの良さを再認識。しばらくアジア旅行にハマりそうな予感がしている。一緒に旅行した友人たちと、早くも次の旅を計画中。