Newオーストラリアンキュイジーヌの
多国籍な味わい

オーストラリアの料理というと、みなさんは何を思い浮かべるでしょうか。おそらくステーキやバーベキューのイメージが強いのではないでしょうか。確かに私が10数年ほど前に、オーストラリアを訪れた時もそういった料理が多かったように思います。ところが、ここ最近のオーストラリア料理は、大きく変貌したようです。私も先日久し振りに訪れてみて、その事実に驚きました。現在のオーストラリア料理とはどんなものか、その魅力をレポートしてみました。

オーストラリアのワイン生産地のぶどう畑のまん中にあった巨大なオブジェ。ぶどうを獲っている人の姿が、薄い鋼でつくられていた。
今回の旅行で感激したのは、なんといってもオーストラリア料理の素晴らしさ。とにかく何をいただいてもおいしいのです。そのおいしさの秘密は、フランス料理や中華料理という具合に、ひとつのジャンルにはくくれない、多国籍な味わいにあります。そうオーストラリアは多民族国家であり、東南アジアやイタリア、ギリシア、中国などから集まった移民たちによって自慢のレシピを競い合い、何年も前から本場の各国料理を楽しめるようになったのです。レストランメニューの中には、日本料理をアレンジしたようなものもあり、和食党の人にも人気です。
イカと海草にわさびで味つけしたトビ魚の卵がのった和風サラダ。南オーストラリア、アデレードにあるアボリジニ料理専門店『Red Ochre Grill』でいただいた逸品。イカやトビ魚の卵がとても新鮮で、歯ごたえがある。

自慢のレシピもさることながら、食材が豊富で新鮮ということもおいしい理由です。オーストラリアは四方を海に囲まれていて、大都市は海に面していますから、とくに魚介類はどこでも新鮮で最高の食材が手に入ります。日本では伊勢エビとよばれているスピニー・ロブスターもおすすめの一品です。とてもおいしくて新鮮で、しかも値段が安いのです。今回の旅ではバラエティに富んだメニューに出会うことが多く、また何をいただいもおいしいので、毎回食事を何にしようかと悩んでしまいました。

ワイナリー・レストラン『Leeuwin Estate』でいただいた、ボイルした新鮮なSPINY LOBSTER(伊勢エビ)。『Leeuwin Estate』は、西オーストラリアにあるワイン生産地、バロッサバレ−にある有名ワイナリーです。 日本ではザリガニと呼ばれる、淡水産のエビはオーストラリアの名物。ロブスターの半分以下の大きさで、味わいは小さな伊勢エビ 。肉の繊細さ柔らかさが絶品で、いちど食べたらやみつきになるおいしさです。