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水をたくさん飲めば、乾燥肌による痒み(かゆみ)を止められますか? |
ひどい乾燥肌で悩んでいます。顔はそれほどでもないのですが、体、特に背中や腰、二の腕、脚などの乾燥がひどく、また痒みがあります。特に空気が乾燥する冬がひどく、夏でも背中、二の腕などは痒くてたまりません。たまたま化粧品を買いに行ったデパートの美容部員に相談したら、「皮膚にできるだけ水分を補給するために、水をたくさん飲むといいですよ」と、教えてくれました。それは本当なのでしょうか?(K代・22歳・東京)
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皮膚の乾燥には、保湿成分のある化粧品を使うのがいちばんです |
残念ながらいくら水を飲んでも、肌の乾燥をなくすことはできません。たくさん飲んでも、皮膚の内部の真皮にたまって、せいぜいむくみを起こすくらいで、皮膚表面の角層水分含有量には、なんの影響もありません。むしろ問題は、肌が老化しているか、または傷んでいるかが原因で、皮膚の角層で水を結びつける脂やアミノ酸の量が、減っていることなのです。これらを改善するには、外側から保湿クリームなどを使って水分補給をするか、または体の内側から根本的な体質改善を目指すか、どちらかしかありません。
体の内側からの体質改善とは、昔からお肌によいとされている3つの要素、(1)栄養バランスのとれた食生活(2)ストレスの少ない生活(3)充分な睡眠……などです。また、内科的な疾患を持っていても、乾燥肌を起こすことがありますので、まずそれを治すことが先決です。痒みを伴うようなお肌の対症療法としては、毎日保湿クリームを塗るのがいちばんでしょう。毎日塗り続けると、皮膚の角層に影響するだけでなく、その下の表皮にも影響を与え、だんだんと保湿能力が高まってきます。
絶対にやってはならないのは、いくら痒いからといって、爪で強く引っ掻いたり、固いスポンジなどでゴシゴシこすったりすることです。皮膚は傷付くとますます乾燥の度合いが増し、痒みは止まるどころか、一層激しくなってしまいます。最近は、肌の乾燥と痒みを瞬間的に抑えるスプレー状の薬剤などが市販されていますので、どうしても痒みがおさまらない場合は、こういったものを利用するのもいいでしょう。(2003.8.3) |

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