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質問 抗生物質やステロイド剤は、妊娠出産に影響はないのでしょうか?
現在、27歳の女性です。19歳になった頃から顔中に広がったひどいニキビに悩まされ、1年以上皮膚科に通いました。その時、抗生物質やステロイド剤などを処方され、ニキビはだいぶよくなりました。ですが、薬をやめてから、最近また悪化しています。5月に結婚するので、また皮膚科に通うことを考えていますが、抗生物質やステロイド剤は、妊娠出産に影響はないのでしょうか? また、もし影響があるとしても、妊娠を予定している場合、どのくらい前に薬をやめれば、副作用を避けられるのでしょうか?(A子・24歳)


回答 まず、かかりつけの医師に相談ましょう
妊娠中の投薬に伴う影響は、薬の種類や飲む時期によっても変わってきます。お腹の赤ちゃんへの影響も考えると服薬は慎重にすべきですが、妊娠に気づかず服薬してしまった場合などは神経質になりすぎないようにし、かかりつけの先生に相談してください。

赤ちゃんの心臓などの重要な臓器は、妊娠4週から7週までに形成されます。この時期に薬を飲むと形態異常が起こる可能性があり、特に注意が必要です。妊娠16週以降は形態異常が起こる可能性は低くなりますが、薬の毒性が胎盤を通して赤ちゃんに悪影響を与えるおそれがあります。以下に、個々の薬に関するリスク評価を一覧にしますので、現在使っていらっしゃる薬が、それに該当するかどうか、チェックしてみてください。(2002.6.5)


妊娠中の使用に関する医薬品のリスク評価(オーストラリア基準)
カテゴリーA
妊娠または妊娠可能な年齢層の女性多数例に使用されてきたが、奇形発生頻度の増加はなく、胎児に対する他の、直接・間接的な有害作用も観察されていない。
カテゴリーB
妊婦又は妊娠可能な年齢層の女性に対する使用経験はまだ限られているが、奇形発生頻度の増加はなく、ヒト胎児に対する他の直接・間接的な有害作用は観察されていない。
詳細分類
B1:動物実験では胎児に対する有害作用の頻度を増大するという証拠は得られていない。
B2:まだ不適切・不十分な動物実験しか行われていないと言う懸念は有るが、現在入手しうるデーターでは胎児に対する有害作用の頻度を増大すると言う証拠は得られていない。
B3:動物実験の結果では胎児に対する有害作用の頻度を増大させると言う証拠が得られている。しかし、この点に関する人への意義はまだ不明である。
カテゴリーC
催奇形性はないが、その薬理作用によってヒト胎児又は新生児に有害な作用を及ぼす、または及ぼす可能性が疑われる薬。この作用は可逆的な場合もある。
カテゴリーD
ヒト胎児に作用して奇形あるいは非可逆的障害の発生頻度を高める薬。これらの薬は薬理学的な副作用を伴うこともある。
カテゴリーX
胎児に対して永続的な障害をもたらす危険性が高く、妊娠中や妊娠の可能性のある時期には使用すべきでない薬。
皮膚科で一般に使用する薬とカテゴリー分類
抗ヒスタミン薬
アタラックス(ヒドロキシジン)    A
ポララミン(クロルフェニラミン)   A
タペジール(クレマスチン)      A
ペリアクチン(シプロヘプタジン)   A
抗生物質
サワシリン(ペニシリン系)      A
ステロイド(局所)…塗布の場合
リンデロン(ベタメタゾン)      A
名称は品名、( )内は成分名
※その他塗布で用いられる薬は危険は非常に少ないそうです。