一口にケミカルピーリングといっても、使用する薬剤によって、その効果も副作用も違ってきます。ケミカルピーリングは、皮膚表層の角質を化学物質で剥がすことで真皮を刺激し、新しい表皮を再生させる方法です。ケミカルピーリングが行われはじめた頃は「石炭酸（フェノール）」や「トリクロロ酢酸」といった、皮膚を腐食して角質深部まではぎ取ってしまう方法が主流でしたが、刺激が強い薬剤だけにコントロールが難しく、またトラブルも多く、万人向きではありませんでした。
その後、ケミカルピーリングの技術も研究と改良が加えられ、現在では比較的弱い酸で角質剥離作用が強い、「フルーツ酸」が使用されるようになりました。「フルーツ酸」を使用することで、ケミカルピーリング自体は安全に行えるようになりましたが、角質を剥がした後の皮膚が再生する過程で、皮膚に刺激が与えられると、ダメージが残ってしまうことがあります。特に、紫外線は大敵です。
また、ケミカルピーリングを間隔をあけず行ったり、炎症が起こったものをそのままにしてしまうと、シミやクスミが残ってしまいます。ピーリング後は、角質の再生を助け、炎症を防止しし、確実にUVをカットする処置が必要です。ケミカルピーリングは、正しく行えば肌質を改善する優れた治療です。
アメリカで行われた初期のケミカルピーリングは、全身麻酔の元に行われる大手術に近い治療でした。日本では比較的簡単に行われる方法が広まり、安易に行われ過ぎたためにトラブルも多く、問題視されるようになっています。ですが、信頼できるクリニックで正しく行えば、大きな効果を得ることが可能です。
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