ビタミンC(アスコルビン酸)は、「スコルビル(壊血病)に抗するもの」という意味があるのはご存じですか? コロンブスの時代の航海では、壊血病を防ぐため、乗船するのに柑橘類の果物を持って行くことが条件でした(当時柑橘類は1個が現在の1万円近くする非常に高価なものでした)。
壊血病は、ビタミンCが不足すると起きる病気です。ビタミンCが不足すると、体内でコラーゲンを作ることができなくなり、血管壁がもろくなり、ちょっとぶつけただけでも出血し、それが止まらなくなってしいます。コラーゲンは、血管壁の形成だけでなく、皮膚の弾力を保つ上でも、大変重要なタンパク質です。ですので、お肌もビタミンCが不足するとコラーゲンが減少し、さまざまなトラブルに見舞われることになるのです。
ビタミンCは、美白ビタミンとしても有名です。お肌を美しく保つためには、ビタミンCを充分に補給することが大切ですが、ただ表面からビタミンCを塗るだけでは、その能力を生かすことができません。ビタミンCを皮膚に塗布したとき、いかに有効に細胞内へ運ぶかが重要なポイントです。通常のビタミンC(アスコルビン酸)のままでは、残念ながら皮膚のバリア層でストップしてしまい、それ以上深く浸透させることはできません。
そこで、ちょっとむずかしくなりますが、ビタミンC誘導体、たとえば「リン酸アスコルビルMg」や「リン酸アスコルビルNa」といった、物質を使用するとその点が解決します。ビタミンC誘導体は、皮膚に吸収されやすく、吸収された後は、皮膚の中で「ビタミンC」として作用する物質なので、効果が高いというわけです。
今では、化粧品の成分表示が義務づけられるようになりました。化粧品の成分表示を見て、「リン酸アスコルビルMg」や「リン酸アスコルビルNa」などの成分が書かれていたり、医薬部外品の中でも上記のビタミンC誘導体が使用されているものであれば、ある程度の効果は期待できるはずです(厳密にいえば、ビタミンC誘導体の種類や濃度にもよって効果は異なります)。
同時に、ビタミンBやCを内服すると、美肌に効果があります。口から摂取するものは、通常のビタミンC剤で充分です。
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