LADYWEB講座|Beauty Clinic

みずき先生の色彩セミナー


小説に出てくる色で、作家の性格がわかる
小説家が自分の作品の中で、好んでよく使う色のことを「愛用色彩語」といいます。これはどの作家にでも持っているものではなく、特定の作家に現れるもので、このことを研究した論文によると、主に作者が若い頃のほうが、愛用色彩語は使われているそうです。また使われている色は黒、白、灰色などの無彩色、使われる対象となるのは男性作家の場合は顔、女性作家の場合は着物となります。

しかし中には特定の色に執着している作家もいるといいます。例えば光覚の詩人と呼ばれた北原白秋の場合、金・銀の二色を多用しており、光を表すこの二色によって、美しい世界を創造しているのです。また「乱れ髪」で知られる与謝野晶子は、紅・紫といった、刺激的な色を好んで使う傾向があり、夏目漱石は赤より青を好んで使っていたことから内閉的な性格といわれています。

小説を読む時に出てくる色を注意深く見ていれば、その作家の隠された性格が見えてくるかもしれませんね。(2002.5.20)