LADYWEB講座|Beauty Clinic

みずき先生の色彩セミナー


食文化に表れている『色』へのこだわり
食欲をそそる色は、世界各国共通のように思われるかもしれませんが、実は食文化による違いがあります。

例えば肉食中心であった欧米人は、牛ステーキのような赤い血の色に、食欲を刺激されます。そのため、日本では病人にお肉を勧めるということはありませんが、欧米人の場合、病気の時は肉のスープがよいとされているほどです。反対に日本人は長い間菜食系の食生活だったため、ニンジンなどの赤橙、かぼちゃなどの黄色、青菜などの緑が食欲を刺激するベスト3となります。また魚介類も摂るため、日本食は世界でも類をみないくらい色彩が多様だと言われています。さらに懐石料理などに行くとわかりますが、和食の世界では、板前さんが食器にも精通するという食文化を築いてきているため、料理の多様な色彩をより盛り立てる器が使われています。

このような文化の違いにより、世界共通のように思われる『色』へのこだわりも、実は違う形で発達するものなのです。(2002.3.25)