LADYWEB講座|Beauty Clinic

みずき先生の色彩セミナー


喪服の「黒」に象徴される色彩の西洋化の波
[黒]には、「暗い」「恐ろしい」など、マイナスのイメージがつきものです。そのため最も陰気なイメージであるお葬式に着ていく喪服は[黒]なのですが、これは世界共通だと思っている人が多いのではないでしょうか。

色に対するイメージは、ある部分では確かに世界共通ですが、喪服の色は必ずしも黒ではありません。例えば日本が最も文化的に影響を受けた中国でさえ、喪服の色は白であり、弔事のことは「白事」と言います。白が使われる理由は諸説ありますが、白はもともと「入」という字と「二」という字を合わせた文字で、陰陽道では「入」も「二」も陰になります。陰がふたつ重なった[白]という文字は、陰の極であり、弔事を象徴する色として、最適だと考えられたのです。

ただし台湾、韓国などは今も白の喪服ですが、中国の中心部では西洋式に黒い腕章をつけるだけになっています。西洋化の波は、何千年の歴史に裏づけされた伝統の色さえ押し流すようですね。(2002.2.18)