LADYWEB講座|Beauty Clinic

みずき先生の色彩セミナー


歌舞伎で使われる色の秘密
歌舞伎の化粧は独特で、普通のお芝居ともまったく違ったものですが、あの歌舞伎の隈取(化粧)やきらびやかな衣装には、それぞれ意味があります。

例えば赤い隈は勇敢で正義感溢れるヒーローのような若者を表しています。そして陰険な公家は藍色、土ぐもや鬼などの妖怪は茶色、幽霊は灰色を使います。また善人の肌の色は白、悪人は赤、そして神仏の役は金色です。

同じように衣装も、それぞれの役によってある程度決まっており、例えば歌舞伎の代表的な作品「仮名手本忠臣蔵」で悪人・高師直の衣装は黒で、彼の持っている悪意を象徴し、事件の元凶になる塩谷判官は、不幸を表す黄色を使っています。討入りを果たす桃井若狭之介は、若さと清純さを表す浅葱色です。

一見すると派手なように見える歌舞伎の化粧や衣装は、実は色によるさまざまな効果を吟味した演出手法だったのです。(2001.11.12)