第17週めのポイント評価
今週のみかんさんの体重は、停滞期というより安定期といったほうがいいと思います。「体重が下がらない」ということに着目するのではなく、「上がらない」ということに着目すべきで、これはたいへん素晴らしいことです。体重が増えないというのは、体の恒常性を保つ機能が発達しており、リバウンドしにくい。つまり、今後もダイエット生活を順調に続けるためにも、大きなポイントとなるところです。また、みかんさんが、原稿に書いているように、「マインドコントロール」または、「自己暗示」も、ダイエッターには大きな味方です。
ダイエット生活を長く続けていると、どんなに食事療法で頑張っても、体重が落ちなくなる……といった状態、つまり「停滞期」を経験します。これが長期にわたった場合は、体になんらかの刺激を与えて、この状況を脱するように仕向けるのですが、「マインドコントロール」も、この「刺激」のひとつになるのです。
人は、ふだんと違った環境に身を置いたり、闘争心や知的好奇心を刺激されたりすると、交感神経が刺激され、食欲が自然に抑制されます。また、代謝が活発になり、エネルギーの消費量が増えます。つまり、長期にわたるダイエットを行う場合は、ときどき精神に対する刺激を与えたほうが、よりやせやすくなるのです。
「食事を減らしているのに、やせられない」場合、ほとんどの人が「では、もっと食事を減らせばやせられるだろう」と考えます。ところが、これは努力が必要な割に効果が薄く、単に「環境を変える」「意識を変える」だけのほうが、やせることにつながったりするのです。つまり、「ふだんはやらないい運動をする」「普段と違った行動をする」「日常生活から離れてみる」などのほうが、食事を減らすことよりはるかに効果があるのです。
太りやすい体質の人は、すぐに省エネモードのスイッチが入ってしまう傾向があります。食事を減らせば、最初は体重が落ちても、やがてその状況に慣れてきて、ふたたび省エネモードのスイッチが入ってしまいます。 体重が減らないから、もっとハードに食事を減らす、もっとハードに運動をする……は、ナンセンスで、時に健康を害することになりかねません。それよりは、気持ちの持ちかたを変える、いつもと違うことをするほうが、やせる効果が高いのです。「何か目的を持つ」「恋愛する」といったものもダイエットのサポートとなり、つまりはこれが「マインドコントロール効果」なのです。
一般的に、ダイエットを指導する人も実行する人も、食事療法や運動療法の効果を、無機質な数値のみで計算しがちです。ですが人間は ロボットではなく、精神や心……といったものに健康状態を支配されている、とても不確実な存在です。意識の持ちようで人は健康にも病気にもなり、また太りやすくも、やせて美しくもなるのです。読者の皆さんも、決して精神の持つ力をあなどらないでください。もし「停滞期が少し長く続いているな」「体重の変化がなさ過ぎるな」と感じられたら、「ふだんはやらないい運動をする」「普段と違った行動をする」「日常生活から離れてみる」などを、ぜひ試してみてください。