第13週めのポイント評価
この連載は「さらに5kg!」とタイトルを新たに、次の目標に向かってスタートしました。これまで3週間の停滞期が続いていたみかんさんは、この1週間でまたさらに1kg痩せたようですね。食事傾向は、これまでとほとんど変わっていないので、それだけ体が「本来の体重」つまり、健康な状態に近付いている証拠です。それにしても、食事内容を見てみると、やっぱり野菜の割合が少ないので、もう少し積極的に野菜をとるようにしましょう。
さて、新連載の「さらに5kg!」では、これまでの3カ月よりは、少しだけカリキュラムが増えました。それは、食事のポイントが、75から70に減ったこと。そして、毎日5分間の体操を義務付けたことです。ですので、みかんさんが毎日つけている「詳細データ」という名の管理シートには、「体操をやったことを示す○印」と、「体脂肪率」の項目が増えました。
「体操は毎日、たったの5分だけ? それでホントに効果があるの?」と、読者のみなさんは、びっくりされるかもしれません。ところが、このたったの5分間が意外にバカにならないのです。もっとも、効果があるのは数字の上ではなく、ダイエットを継続するための「意識」にあるのです。
ダイエットをスタートする場合、あまりにヘビーな運動療法を取り入れると、ふたつの弊害が出てきます。そのひとつは、プレッシャーをかけ過ぎることによって、ダイエットに挫折しやすくなること。もうひとつは、激しい有酸素運動などの後には、脳内物質のエンドルフィンが分泌され、これが食欲中枢を刺激するからです。このエンドルフィンによる刺激には、よほどの強い意志力をもたないと、なかなか抗えません。激しい運動の後にやってくる、強い喉の渇きと食欲は、かえってダイエットの苦しさを実感することになり、精神的なリバウンドが起こりやすくなるのです。
ですので、私は「意志力の弱さ」からダイエットに挫折する、いわゆるダイエットリピーターの人には、絶対に有酸素運動は薦めません。確かに有酸素運動は、脂肪を燃焼させますが、それは「数字の上でだけの計算」で、一時的にいくら脂肪を燃やそうとも、長期間勝負を続けていかなければいけないダイエッターには、向かないのです。トレーナーなどの指導員が常に側について、挫折しそうになった時、叱咤激励をしてくれるような環境なら別ですが、たったひとりでダイエットを継続していく場合、エンドルフィンの刺激は、強烈な悪魔の誘惑でもあるのです。逆に言えば、有酸素運動をしてなおかつ、その食欲中枢への刺激に勝てる意志力を持っている人なら、最初からダイエットリピーターにはなりません。
ダイエットは、理屈だけでは成功しません。それは私自身が20代の前半から糖尿病を患い、数十年ダイエットをやり続け、脂質代謝異常という体質と闘い続けてきて得た結論なのです。「たくさん食べるから太るんだよ」という、医師や周りの人の乱暴な結論に、体質的な問題、環境的な悩みを抱えている私は、どれほど傷ついたでしょうか。ダイエットに苦しんだことのない人間には、決してダイエッターの真の問題点はわからない、というのが私の結論です。個人の話が長くなってしまいましたが、ダイエットというのは「机上の計算ではできない」とうこと。それを、皆さんに知っていただきたいと思います。