この間、あらためて本格的に洋服の整理をしていて、とんでもない事実に気が付いて、とても驚いた。なんと私は、スカートを1枚しか持っていなかったのだ!
あり得るか? いい年をした女性のワードロープにスカートが1枚って…。別に私は主義として「スカートははきません」ってわけではなく、実際スーツのスカートは持っているんである。でも単品のスカートは全然なく、ここ数年ほとんどをパンツで過ごしたことをあらためて実感した。
なぜ、こういうことになったのか。
それは太ったからである。太っている人間がスカートを履くと、下腹がポコリと出て、タイトなミニスカートの場合、下腹部で布をたくさん取るため、さらにミニになってしまう。そしてその状態で長時間着ていると、脱いだ時にウエスト部分から10cmほどの部分にシワが寄り、ヨレヨレになってしまう。
ただ単にサイズが合わなくなったものは、もったいなくて取っておいたが、ヨレヨレになったものは順次処分していった結果、気が付くとスカートが1枚なんて情けない状況になってしまっていた。
私はもともとタイトでミニのスカートが好きで、多少なりとも痩せていた頃(遠い昔)は、その手のスカートばかり履いていた。太ってからは上記の理由と、足を出したくない! という気持から、新たに買うものはパンツばかりになっていたようだ。
それにしても……あの頃に着ていたスカートたちはどこへ?? ってくらいの減りかたである。だって私は昔、スカート以外はほとんど履かない人だったのだから。つまり、太った間に、私の下半身に限りはワードロープがすべて入れ替わったということになる。ずいぶんと不経済な話ではないか。
それに気が付いた私は、さすがに2枚ほどスカートを買いに行った。これまた不経済である。太った痩せたというのは、どこまでも私の生活すべてに影響してくる話なのだ。目標体重をクリアした時、そのウエストに合う服は、さすがにほとんど残っていないぞ! 贅肉と同時にお金も失っていくのかもしれない。イヤ、贅肉が増え続けた期間、無駄なお金を使い続けたということか。恐るべき贅肉の罠。
もうひとつ洋服に関わる話で、最近思い出したことがある。
この時期になると、毎年出ている「忘年会兼クリスマスパーティ」というのが何件かあり、その中にフォーマルで出席するものが2件含まれている。イブニングに近いような、そのまま結婚式にも出席できるような洋服を着て行かなくてはならないので、私は何着かそのための衣装を持っている。数枚のドレス類のうち、ほとんどは太り始めて早々に着られなくなったのだが、ちょうど今くらいの体型の時に買ったものは、後ろの紐でサイズを調整でき、かなりブカブカのものだった。
昨年のクリスマスパーティの時、「絶対に大丈夫な服」としてそのブカブカのドレスを選び、もう1着、「もしかしたら着られるかもしれない」というドレスと2枚持って会場に向かった。ところが、いざ着てみると「もしかして着られるかもしれない」ほうは着られるどころかウエストを通過することもできず、「絶対に大丈夫」のほうは紐を目一杯使ってもボッコリ下腹部が出て、見事な三段腹をさらす結果となった。その日、一年振りに会う人も多く、私は相手の視線が気になって気になって、自分から話し掛けることができず、ひたすら隅で小さくなっていた。
あれから一年。今年同じパーティに出席した私は、「リベンジ」とばかりに「もしかして着られるかもしれない」と去年思っていたドレスを着ていった。もちろん今年は、行く前に家で一回試着した。その結果、会う人ごとに「痩せたね〜」のお言葉。本当に嬉しかった。
いまだ停滞期から抜けられないというのに、忘年会のたびに気が緩んで飲んでしまうが、二度と洋服を無駄にしないためにも、昨年の屈辱を思い出し、気を引き締める私である。
※次号より新連載「ねばるぞ2kg!」がスタートします。(LADYWEB編集部)