2002年12月16日

最近、昔からお世話になっているスナックに顔を出している。高校時代の友人の叔母さんが経営しているお店で、もう10年以上前からの付き合いだ。

その店が今年の11月、20周年を迎えた。10周年の時も15周年の時も、私は自分の仕事を活かして、せめてものお礼にと「記念新聞」を制作させていただいた。当時はこんなにPCを便利に使いこなしてはいなかったので、安い印刷屋に頼んで1枚だけのものを作ったのだが、今年はなんといっても20周年。人間なら成人式という晴れの記念日である。

私は思い切り凝ったものを作ろうと、俄然張り切った。そのため10月頃からちょこちょこと顔を出し、A3で4枚、総ページ16という大作を何とか20周年当日までに作り上げ、その後も新聞を配るために遊びに行っている。ママとその店のお客さんは、私が芝居を書けば皆で揃って観にきてくれたり、本を出した時には店だけで100冊以上買ってもらったという、私にとって本当に「足を向けて寝られない」人たちである。

今回も新聞を制作した私に、皆さんとても暖かい言葉をかけてくれた。
そして少しでもその労をねぎらってやろうという、と〜っても優しい気持ちから、「ま、ビールでも飲みなよ」と言ってくれるのだ。
そういう人が店に行くたび2〜3人いたりする。私の労をねぎらうため、ご褒美として出されるビールを無下に断ることなど、もちろん私にはできない。

しかし、一日にビールを3本も飲むことを続けたら、私の肉体がどんな変化を起こすか、よもや知らない私ではない。私はできる限りバイトの女の子や男の子を側に呼び、「どうぞ一緒に飲んでください」という思いを込めて、いただいたビールを勧めることにしているのだが、それでも夜、家に帰って体重計に乗るときは、かなりドキドキする。

その上、いくら不景気とはいえ、20周年の上にママの誕生日まで重なり、たくさんの人がケーキなんぞを持ってきてくれたりもする。私の最近のメニューにケーキがやけに登場していることに気がついている方も多いかと思うが、その理由はここにあるのだ。さらに、この連載を始めてからずっと守ってきた「深夜の食事はとらない」ということが、近頃何度か破られている理由も、同じだ。

スナック勤めの女性が仕事帰りにお客さんと行く店の定番といえば、焼肉・寿司・ラーメンである。さすがに焼肉やラーメンに付き合うわけにはいかないが、中でも比較的ポイントを稼がず、「食べていないこと」を周囲に気付かれないメニューであるお寿司屋には、何度か足を運んでしまった。

その結果、リバウンド…とならなかったのは、ひとえに体操のお陰ではないかと思うのだが、こんな生活が続いては、これ以上肉体を誤魔化していけるかどうか自信がない。その上個別に、「ご褒美とママの誕生日を兼ねて」なんて言って、お食事にご招待してくれるお客さんもいて、それが今週の「中華」とか「イタリアン」のメニューなのである。

久し振りに顔を出した頃は、いろいろな人に「痩せたな〜」といわれることに気をよくして、「実は公開ダイエットしてるんだ〜」などと答えていた私だが、最近では「全然痩せないみたいだけど、ダイエットのほうは大丈夫なの?」などと問われる始末。

大丈夫じゃないよ!! と思うのだが、こういう時本当に、雰囲気に流されて食べたり飲んだりしてしまう自分の意思の弱さにうんざりする。誘惑にも負けず、空腹にも負けず、お世話になった人には義理を通し、人付き合いも円滑にこなし、それでもスレンダーな体型を維持できる。

そういう人に、私はなりたい。