もうずいぶん長い間、体重計の数字が変わらない。先週は食べ過ぎて、せっかくの「体重下降」のチャンスを自ら逃した私だが、今週はかなりポイントに気を付けて、食べる量も控えめにしたつもり。
そして、先週の自堕落さのせいで(?)始まってしまった体操も、頑張ってやっているが、体重は一向に減る気配を見せない。あと残り2か月を切った今回の連載。2か月で5kg減なんて「絶対に無理!」と、もう早々と諦めモードに入りつつある。
5kgという目標が達成できないくらいはまだしも、このままずっとこの体重を維持してしまったらどうしようかと、かなり不安だ。3か月体重が変わらない…これって、太り続けていた私にとって、別に珍しいことではない。ただ状況に「痩せない」か「太らない」の違いがあるだけだ。
だからこそ、このまままったく体重が変わらずに3か月が過ぎてしまうことを、リアリティを持って想像することができるんである。そんなことになったら、この連載はどうなるんだ! ということももちろん問題だか、何よりも問題なのは、
「絶対に痩せて、キレイになってやる!」と強く思っている私の気持はどうなるんだ? ということである。ダイエット塾の七尾先生と話すと、必ず「心配しなくても、必ず(体重は)落ちます」と言ってくださる。
連載開始から7か月間、何回もそう言われたし、この3か月はお話するたび言われている。言われ続けている。でも現実は、全然体重は減らないんである。ピクリともしない。100gくらいずつの変化でもあればまだしも、本当に「ピクリ」すらないのだ。
こうなってくると七尾先生に「絶対落ちます」と言われるたび、「すみませんね〜、私の肉体ったら、頑固で。え〜え〜、ごめんなさいよ」という気持になってしまう。我ながら卑屈だ。
しかし、こうも体重が変わらないと、「減らない」という不安な気持の反面、「増える」ということへの緊張感もなくなってくる。体重計に乗るときの気持ちや、食事に対する姿勢が、どうもダラけているような気がするのだ。ちょっと食べ過ぎようが必死にポイントを守ろうが、ピクリともしない肉体を持つと、人はこのように緩んだ心を持つものなのかと、我ながらビックリである。
とりあえず意識的に野菜や果物を食べるようにしたり、体操を真面目にやってみたりと、自分でも「努力してるぜ、私」と思わないでもないが、最初の頃のような、「ダイエットに対する意欲」とでも言えるものが欠けてきているようなのだ。
これはマズイ。明らかにマズイ傾向だと、自分をよく知っている私は思う。この感覚は、「知らないうちに20kg太ってました」という頃の私の、「きっと明日は痩せられるさ♪」と現実を見ず、楽観的に考える怠惰な性格の現れである。
でもやるべきことはそれなりにやり、先生から与えられたポイントは守り、そしてリバウンドもしない自分に、「気合が足りん!!」と自らを叱咤するほどの強靭な精神を、あいにく私は持ち合わせていないのだ。
私は今、戦うべき相手を見失い、振り上げた拳をどうしてよいのかわからない新米兵士のような心境である。