さて、今回からいよいよ新連載「しつこく5kg!」がスタートした。3か月ずつで、すでに2回の連載が終わったが、前回終了時にはダイエット開始から10kgの減量が目標だったにも関わらず、痩せたのは8.4kgだけであった。
1回めの連載終了時には、すでに3週前に目標をクリアしており、私の肉体は次に体重が減るときに向けて「停滞期」に突入していた。それが2回めでは、残りの日数と、残りの体重を数えては、「絶対に目標クリアは無理!」と思わざるを得ないようなていたらく。
ダイエット塾の七尾先生のお話によれば、ものすごくデブだったスタート時に比べて、「ちょっとデブ」であった2回めのほうが、最初から難しいのはわかっていたそうである。そりゃ、100kgの人が20kg減量するのに比べれば、60kgの人が20kg減らすほうが大変であることは、私にもわかる。
それに3か月のダイエットをやり遂げた私の肉体は、「ダイエット生活」というものにすっかり慣れており、なかなか痩せにくくなっているのだそうだ。まぁ、理屈はわかるんですけどね。でも目標をクリアできなかったのは、やっぱり私の性格、「怠け者」「怠惰」「根性なし」「持続力なし」などのせいではないかと思う。
正直に告白すれば、1回めの連載時に余裕を持って目標をクリアできたことで、私は相当の自信を持った。「私って、やればできるんじゃん」という気持ちが、徐々に「ちょっと食べても痩せられるからいいや」というふうになった部分は多々あった。結果として目標をクリアできなかったことを思えば、過剰な自信であったと言える。
これまでにも何回も書いてきたが、ダイエットとは「生活改善」と同時に「性格改善」でもあると思う。「太っていることは自己管理能力がないということ」という、アメリカのエグゼクティブの考え方には一理あって、太った原因が運動不足であろうと、ストレスであろうと、自己管理能力の欠如であることは間違いないのだろう。
自己管理能力がないってことは、「食欲」が命ずるままに食べたり、「明日から走ろう」と決めても三日坊主だったりすることも含めて、「怠惰」であり「持続力なし」ということなのだ。
そしてまさしく私は、こういう理由で太った典型的タイプのような気がする。ブクブクと、止まることなく太り続ける私は「どうしてそんなに太ったの?」と、年中他人様から尋ねられた。そのたび私は「不規則な生活だから」とか、「運動不足」「ストレス太り」など、さまざまな理由を述べ立てた。そして必ず付け加えていたのは「そんなに食べてないんだけどね」という言葉だ。
しかし、今ならわかる。私は食べていた。それはストレスを発散するという明確な理由があったかもしれないが、食べていたのは事実だ。体重計に乗って、見たこともない数字を日々更新して、「明日はあまり食べないようにしよう」とか、「寝る前に運動しよう」とか思ったことが何度あっただろう。
いかにも太りそうな揚げ物や、スナック類、コンビニ弁当など止めて、野菜中心の食生活にしようと決めたことも何度もあった。そう思っても痩せなかったのは、それを実行したことがなかったからだ。
今、ダイエットをしようと考えている人は、皆さまざまな知識を持っていると思う。むしろさまざま過ぎて何が正しいのか、どうやったら痩せるのか、結局わからなくなっている人も多いだろう。だけど、ダイエットを成功させるのは「知識」ではない。初期において言うならば、「方法」ですらないかもしれない。
長く、健康的に続けようと思ったら、もちろん正しい「知識」と的確な「方法」が必要だとは思うが、痩せることに一番大切なことは「持続」だ。怠惰な自分を常に奮い立たせる根性だ! どんな正しい「知識」や「方法論」を持っていたとしても、それを続けることができなければ決してダイエットは成功しない。
そして肝心なことは、ちょっとやそっと成功したくらいで「楽勝!」と思ってしまう、自分に甘い性格をなんとかすること。ここにこそ、ダイエット成功の秘訣が隠されている。