「なるほど・ざニュース」でB級グルメを特集した際、取材先のホルモン焼き店の店主からこんなことを聞かれました。「お客さん、なんでこれをホルモンっていうか知ってますか?」と。ホルモンとは、豚や牛の内臓なので「男性ホルモンとか女性ホルモンに関係あるのかなあ」と考えがちですが……実はそうではないのです。語源は、“放るもん”。つまり、豚や牛の内臓は本来食べないので捨てられ、“放るもん”だったのです。他にも説があるかもしれませんが、「ホールモン→ホルモン」となり、現在にいたっているといわれています。今回は、そんな身近な言葉の語源を調べてみました。

「きっかけ」
何かをするとき、必ずあるのが「きっかけ」。恋人や夫、妻と知り合ったきっかけ、会社や学校に入った「きっかけ」、芸能界に入った「きっかけ」など「きっかけ」にはいろいろありますが、もともとは「きりかけ」といい「きり」+「かける」を合わせた言葉という説があります。「きり」は「きりがない」「使い切りライター」のように、ものごとが終了したり完結したりするときに使います。また「かける」は「商売を手がける」「手紙を書きかける」のように、物事を始めるときに使います。つまり、何かひとつのことが終わり、新たに何かが始まることを「きりかけ」=「きっかけ」というようになった説が有力です。その他の説として、歌舞伎などで進行上の合図として、役者の出入り、音楽、照明などが変わる「きっかけ」が語源だという人もいます。「しあわせ」
「おててのシワとシワを合わせてシアワセ……」と、女の子がいう某仏具店のCM。好き嫌いは別にして、あのCMに出てくる「しあわせ」は漢字で書くと「幸せ」。ところが、もともとの「しあわせ」は、漢字では「仕合わせ」と書き、いいこと、ラッキーなことではなくただ単に「運」とか「めぐり合わせ」「なりゆき」を表した言葉で、「仕合わせがいい」とか「仕合わせが悪い」というような言い方をしていました。そして、現在のようにいい意味での「幸せ」に変わってきたのは室町時代になってからだといわれています。それ以前は「さいわい」が幸せの意味で使われていました。
「ごまかす」
失敗したときなど、あわてて言い訳をしてごまかす……誰にでも経験があると思います。さて、この「ごまかす」漢字では普通「誤魔化す」と書きますが、これらは当て字で、語源としては諸説あります。ひとつはその昔、胡麻をふりかけたお菓子があり、いかにもおいしそうだが、実際に食べてみると見かけほどおいしくないところから「胡麻菓子」と呼ばれ、転じて「ごまかす」になったという説。もうひとつは同じ胡麻でもおいしい胡麻説。胡麻はおいしいのでどんな食べ物にも合うので「胡麻で美味しく化す」つまり「ごまかす」になったというわけです。その他、高野山の僧侶が護摩の灰を弘法大師が焚いた護摩の灰だといって高く売りつけたという説もあります。「すみません」
人から親切にされたとき、ちょっとしたことを詫びるとき、人に道を尋ねたり、レストランでウェイトレスを呼ぶとき、など、日常的に使うのが「すみません」。「すいません」とも言うけれど、正しくは「すみません」。この言葉はとても古く室町時代には使われていて、心が澄みきる、あるいはすっきりする、の「澄む」で、「すみません」は「すまない」の丁寧語です。これが時代とともにいろいろな使い方をされ、謝罪やお礼のとき、謝ったくらいでは心が澄まない、お礼を言っただけでは心が澄まない、といったふうに変化してきました。「すみません」は日本人の心のやさしさを表したとてもいい言葉です。「お茶をにごす」
うっかりミスをしたときなど、適当にその場をごまかすことを「お茶をにごす」という言い方をします。これには諸説ありますが、いちばん有力なのが茶の湯の心得のない人が適当に抹茶をたてたという説。これにはお茶らしく適当ににごりをいれてごまかしたという説もありますが、その他「お茶」を語源とした言葉には日常茶飯事、茶番などいろいろあり、日本人とお茶がいかに密接かわかります。「がってん」
テレビ番組でおなじみの「がってん」漢字では「合点」と書きます。これはもともとは回状と呼ばれる今でいう回覧板を読みました、という意味で自分の名前の上に印をつけ、これを合点と呼んでいました。また、俳句や和歌を師匠に見てもらうときにも「よろしい」という意味で点(合点)をつけてもらっていました。これで合点していただけたでしょうか。
「ヘチマ」
体を洗う素材として、美容液として知られているヘチマ、妙な名前だなと思ったことはありませんか? ヘチマはインド原産の植物で、江戸時代初期に中国経由で日本に伝わりました。漢字では「糸瓜」と書きます。当時はそのまま「いとうり」と発音されていましたが、その後、「とうり」と変化していきました。この「とうり」の「と」という音は、「いろはにほへとちりぬるを」の「ヘ」と「ち」の間にあります。そのことから「ヘチマ」と洒落ていうようになったのが語源とされています。沖縄ではヘチマのことをナーベラーと呼びますが、これは「鍋洗い」がなまったものという説があります。
(2009.7.22 取材/ジャーナリスト・金子保知)
参考文献
広辞苑(岩波書店)
大辞泉(小学館)
言葉の豆辞典(三笠書房)
つい誰かに話したくなる雑学の本(講談社)
間違いことばのカンどころ読本(日本社)
語源・方言辞典(秀学社)
Wikipedia
広辞苑(岩波書店)
大辞泉(小学館)
言葉の豆辞典(三笠書房)
つい誰かに話したくなる雑学の本(講談社)
間違いことばのカンどころ読本(日本社)
語源・方言辞典(秀学社)
Wikipedia