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日本時間で5月31日の早朝(現地では30日夜)に、日本代表はドイツのレーバークーゼンでドイツ代表とのテストマッチに臨みました。早朝にもかかわらず、相当高い視聴率だったようですが、観た人いるかな? ズバリ…さすがにワールドカップ本番直前ともなると、スピードもプレスも何段階も上がって厳しいねぇ。「キリンカップ」とは全〜然違う。こういうのを観ると、キリンカップなんて必要なのかね(おっと、失言!)。 この時期に、ホスト国とのマッチを組んだ関係者の手腕を高く評価したいですね。 結果は2点先行しながら、追いつかれて2-2のドロー。 でも、テストマッチの結果は重要ではない。 もちろん、ドイツにアウェイで勝った記録を残せる大きなチャンスだったが、修正点も確認できたことだし(それは偵察している対戦相手にも弱点をさらしたことにはなるが)、ここで勝ってしまって浮かれるのも困るし、ここで勝ってもワールドカップのグループリーグの勝点にプラスされるわけではないし、ドローでOK。 ま、修正点と言えば、誰でも同じようなことを言っているけれど、相手のセットプレーでの対応だよね。ただね、身体的に劣る日本選手に今さら改善ができるわけではない。どーしようもないじゃん。じゃ何を修正するかというと、要は、何としてでも(ファウルにならない程度に)相手選手を自由にさせない執念を発揮する…ということでしょうか。 科学的でなくて申し訳ないけど、それしかないよ。 ただね、ディフェンス自体は崩されなかったのは収穫。ドイツチームの攻撃程度のイマジネーションに対しては、充分やれる手ごたえは感じたでしょう。この調子でやっていただきたい。 日本が2点も取るとは思わなかった? ま、そういうもんですよ。あれぐらいはヤルからね、現在の日本のレベルでは。 ゴールの数もそうだが、どれだけ決定的なチャンスを作り出せるのかが重要…ゴールには運もあるからね。その点、身体的に劣る日本チームはボールポゼッションでは劣る(相手チームにボールを持たれている時間が長くなる)かもしれないけど、そうした中で数多くの決定機を作り出せていたことは確信になったでしょう。ワールドカップ本番を直前に控えて目の色変えているマジなドイツ代表に対して、ね。 高原の2ゴールは、どちらも素晴らしかった。 決定的なチャンスを外しまくることで大人気(いや、大不評)の高原ですが、私もフォワードの軸は高原なんですか〜…と不満タラタラだったですが、久保が使えないと半ば諦めた段階で、今大会ではフィニッシュ(ゴールを奪う仕上げ)は高原と心中するしかないなぁと「覚悟」を決めていたので、ひと安心といったところです。 これで高原のビッグマウスも復活するかもしれませんが、そんなのはイイから、本番でゴールを決めてくれ。くれぐれも、この試合での1点目のような相手ゴールキーパーと1対1の場面で、ゴールポストやクロスバーにボールを(わざわざ)ぶつけないでくれ。あの場面、シュートした瞬間ふかした(ゴールマウスの上に外した)かとヒヤッとしたぞ、私は。 で、ジーコの選手交替なんだが、相変わらずだね。何でこの試合でフォワードだけしか交替させないの? この試合の序盤を見ていればわかったと思うけど、ドイツの本番直前の集中とスピードとプレッシャーに日本選手は当初はついて行けない感じがあったでしょう? これは仕方ないんだよね。日本選手たちが温いのではなく、そういうプレッシャーの中でプレーする機会が少ないから。つまり、ワールドカップ以外にもヨーロッパ選手権とか、クラブチームでのヨーロッパ・チャンピオンズリーグとか、海外では頻繁に痺れるような戦いの場があるでしょう。そういう場でのプレー経験の数と頻度ですよ。 そこで、そういう場における慣れとか感覚を馴染ませる手順が一つ必要になるのです。それはフォワードの選手よりも、中盤とか後ろの選手。特にJリーグしか知らない遠藤や、何試合に一度は大ポカをやらかす中田浩二とか、たぶんジーコがゴールが欲しい時の大事なカードと考えている小笠原とか、そういう選手を放り込んで感覚を合わせておく必要があるんじゃなかったのかい? ま、4日にマルタとのテストマッチがあるので大幅なメンバー入れ替えで臨んでいただきたいものです(もっとも、ワールドカップ出場国でないマルタを相手にどこまでそのトレーニングになるやら)。 さて、この試合を見ての各国の反応だけど、正直たいへん驚いているんではないかな。日本チームがこんなに想像性があって、面白いパフォーマンスを見せるとは思ってもいなかっただろうから。 ね、世界のフットボールにおいては、本当は日本なんてまだまだノーマークなんですよ。いくらキリンカップとかアジアカップで勝っても、コンフェレーションズカップでよいパフォーマンスを見せても、世界的には何にもインパクトがないということ。 ワールドカップという舞台こそが、本当の品評会なんです。 そういう意味では、明らかに各国に衝撃を与えただろうね。でも、本当に衝撃を与えるべきステージは本番での戦いに他ならないのです。本番でそれができなかったら、ドイツ戦での衝撃なんぞ速攻忘れ去られてしまうということですよ。 最後に、民放TVのオマヌケなエピソードを。 某情報番組でおいて…「スローイン」を「スローイング」とナレーション。一瞬30年くらい昔にタイムスリップしたのかと思えるほど笑えた。 こっちはもっと傑作。サッカー中継でもいまだに耳にすることがあるという極めつけネタ…「ハーフウエイライン」(センターサークルのある、フィールドど真ん中のラインね)を「センターライン」と実況。あの〜道路じゃないんだから。 あと、ワールドカップでまず戦うステージは「グループリーグ」です。「予選」もしくは「予選リーグ」ではありません。セルジオ越後さん、いい加減に貴方も訂正して下さい。予選は各地域の戦いで終わってます。各地域の予選を勝ち抜いた国々がワールドカップに出場してくるんだろうが、ってば。(2006/6/3) |