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イングランド・プレミアリーグのスティーブン・ジェラードが、イングランド代表としてワールドカップの舞台でどんなプレーを見せてくれるのか、私は楽しみにしています。 ジェラードについては、リバプールのキャプテンとして2004-2005年シーズンのヨーロッパ・チャンピオンズリーグの優勝に輝き、昨年12月の世界クラブ選手権でも来日しましたので、好きな方もいらっしゃるでしょう。 私はジェラード・ファンというわけではないのですが、中盤の底で正確なロングパスでプレイメーカーぶりを発揮する一方、強烈なミドルシュート、前線へ果敢に攻め上がっての得点力の高さも大きな魅力です。また当然、中盤の底(セントラルミッドフィルダー)ですから、イングランド・プレミアリーグ仕込みのフィジカル・コンタクトの強さとボール奪取の能力の高さも見ものです。 実は2002年大会でも楽しみにしていたのですが、直前のケガで参加できませんでした。ジェラードにとっても、2006年大会が初めてのワールドカップ。当然のごとく4-4-2のフォーメーションで臨むと思われるイングランド代表で、中盤の底でコンビを組むのは、これまたお馴染みのチェルシーのフランク・ランパード。 ランパードは、今シーズンのイングランド・プレミアリーグで、中盤の選手としては過去最高記録となる15得点をあげています。 ある意味、ジェラードとランパードとは似たスタイルの選手といえる2人による超・攻撃的な中盤底コンビが見られるのが楽しみ。2人とも所属クラブでは背番号8をつけており、「8」という背番号はどんなプレーをする選手つけるナンバーなのか、お手本にもなるでしょう。 イングランド代表は、マイケル・オーウェンのコンディションが気がかりと考えている人が多いかもしれませんが、私はイングランド代表の鍵を握るのは、デイビット・ベッカムでもなく、ジェラードとランパードの2人だと思います。 ところで、オーウェンといえば思い出すのが、1998年大会でのアルゼンチン戦で見せたドリブルシュート。この時、確か18歳。ワンダーボーイの異名のとおりのゴールでした。でも、この大会で私が最も好きなゴールは、実はオーウェンのゴールではなく、オランダ代表のデニス・ベルカンプのアルゼンチン戦でのゴールです(イングランドにPK勝ちしたアルゼンチンと、クォーターファイナルで対戦)。 アルゼンチンのゴールに向かって、右寄りで後方からの大きなクロスボールを受けたベルカンプは、信じられないような芸術的なトラップから、右足のアウトで美しいゴールを決めたのでありました…あのゴールは、その後何度もビデオで観ていますが、毎回初めて見るような幻想的な映像のように私には見えるのです。 そのベルカンプが、今シーズンでの引退を表明しています。所属するアーセナルでのプレーもあと数試合。ベルカンプのプレーを少しでも多く見ておくことにしましょう。 そうそう、そのベルカンプ、超・飛行機嫌いだってハナシ、有名ですよね。1994年大会には、アメリカまで飛行機ではなく船で行ったそうですよ。1998年大会はフランスだから鉄道で行ったんでしょうね、きっと。2002年大会にはまさか日本へ船で来るわけにはいかないから、それでオランダ代表は予選敗退したのかね?(予選の前にオランダ代表からは引退してしまっていたのですが) 私のティーンエイジャー時代のスーパースターは、フランツ・ベッケンバウアー(2006年大会の組織委員長)とともに、1974年大会でトータル・フットボールとされる現代サッカーへの革命を起こしたヨハン・クライフですが、クライフのニックネームはそのプレーぶりから「フライング・ダッチマン(空飛ぶオランダ人)」と呼ばれます。ベルカンプは、そのクライフに見い出され、クライフの後継者ともいえる美しいプレーを数々見せてくれました。 ベルカンプのニックネームご存じですか? クライフの「フライング・ダッチマン(空飛ぶオランダ人)」をもじって「アンフライング・ダッチマン(飛べないオランダ人)」っていうんですよ。(2006/4/23) |