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フェイエノールトから浦和レッズへ戻ってきた小野。もちろん日本最高の技術を持った選手であり、日本代表にも欠かせない選手であることは言うまでもない。 しかし! である。 代表でのパフォーマンスも、レッズでのパフォーマンスも、著しく物足らないのである。 トップ下(中盤の前目のフォワードに近い位置)でゴールに絡むプレーはどうもムリっぽだし、中盤の深い位置(フェイエでは移籍後早くからここで起用されてきたが)でも守備に対してあまり熱心でないし運動量も少ない。もっとスケールの大きなプレイメーカーぶりを発揮して欲しいのだが。 なんか中途半端になってきた。もちろん日本最高の技術は健在と思うし、目を見張るパスも時折見せてくれる。 でも、もっともっと日本の大黒柱になるはずの選手じゃなかったかい? 正直言って、レッズでも小野をどこで使うべきか、実は悩みどころなのではないだろうか。平たく言うと、小野がフィットすると思われるポジションが見当たらないのだ。小野の使い方が難しい。 レッズの試合を観ながら私が思ったのは、「リベロくらいかな」ということ。 最終ラインの守備力としては問題外かもしれないが、ストッパーの後ろに構えてカバーリングに徹するならできるだろう(宮本恒靖だってやってんだから)。自陣ゴール前のプレッシャーかかる中でも、そのボール扱いは活かされるだろうし、最後尾から正確で美しいロングパスで局面打開を図る役割。 3月11日のジュビロ磐田戦でも、自軍ゴール前でオォッ! てな感じのクリア見せたシーンが1つあったし。 昔、「皇帝」と呼ばれたフランツ・ベッケンバウアーが正にそうだった。ベッケンバウアーは常識的に考えて、ディフェンスラインのセンターを担うほどのフィジカルはなかったが、その卓越した技術で最後尾からゲームをコントロールする「リベロ」という新しいプレー像を確立したわけだ。 小野もそういうのを目指す? そうだとしても、6月のワールドカップにはもとより間に合うわけはない。 しかし現在の小野のパフォーマンスならば、代表のスタメンは難しいと思うのだ。それでも、中村俊輔さえ潰せば得点力がガクンと落ちそうな日本チームにおいては、小野のハイパフォーマンスが不可欠。 ドイツのメンバーに選ばれることは間違いないのだから、「大化け」して欲しいと願っている。「天才」と呼ばれてきた小野に対して「大化け」なんて言葉を使うのは、はなはだ失礼なハナシではあるのだが。 ところで宮本恒靖について。 ガンバ大阪の西野監督は、日本サッカー協会的には相変わらず日本人代表監督候補の一人のようだが、私は買ってるわけではないし、チーム作りの手腕に疑問も感じている。だが、西野監督の考えに賛同する点もあるのだ。 それは、ガンバが4バックを敷く場合は、センター2枚に宮本は起用しないということ。宮本を起用する場合はあくまで3バックのセンターであること。この点だ。 代表のジーコ監督は、4バックであろうと3バックであろうと、センターに宮本を起用する。本当に謎、謎、謎なのだが、きっとジーコ監督はピッチの中で宮本にプレー以外の特殊な役割を与えているのだろう。三都主が左サイドでゼッタイ使われるように。三都主の場合は「通訳」の役割なんだよね、たぶん。(2006/3/12) |