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さあ、いよいよワールドカップ予選が始まりました。まずは一次予選でグループ首位にならなくてはなりません。グループ1位にならなければ次のステージ(最終予選)へ進めないのですから、いくら相手が格下とはいえ、「肉を斬らせて骨を断つ」という戦いを激マジに挑んでくる各国チームはまったく侮れません。どの試合もすべて、胃の重くなる戦いか続きます。 一次予選ならば、海外クラブ所属選手たちを招集することなく楽々1位をキープして欲しいところですが、また力量的にはそれは充分可能であるはずなのですが、絶対そう容易く行かないのがワールドカップ予選。それは、アジアだけでなく、ヨーロッパでも、南米でも、北中米でも、どの地域でも全く同じ。どのチームも何かしら一矢報いようと牙を剥いて来る…ミスや取りこぼしの許されない厳しい戦いが、しかも長丁場で繰り広げられる…実は、ワールドカップ本大会よりも厳しい、最も重要な戦い、ワールドカップ予選なのです。 では、辛くも勝点3ポイントをゲットしたオマーン戦(2月18日:さいたまスタジアム)の通信簿、行ってみましょう。システムは中盤スクエア型の4-4-2です。 ゴールキーパー:楢崎正剛(名古屋グランパスエイト) <採点なし> *特にさしたる脅威にさらされる場面もなかったので、採点なし。ただ、不用意なキャッチングミスは止めていただきたいです。 右サイドバック:山田暢久(浦和レッズ) 4.5点 *サイド攻撃も皆無。替わりの選手を真剣に探すべきと思います。 センターバック:坪井慶介(浦和レッズ) 6.0点 *一応、無難なプレー。かといって、これでよいということではまったくありません。 センターバック:宮本恒靖(ガンバ大阪) 5.5点 *相手選手との競り合いのボール処理を誤って、唯一かもしれないピンチを招いたのは大減点。 左サイドバック:三都主アレサンドロ(浦和レッズ) 5.0点 *積極的な攻撃は試合序盤だけ。後はほとんど機能せず。 ミッドフィルダー(2.5列目):稲本潤一(フルハム) 5.5点 *持ち味発揮されず。もっと稲本の使い方を考えるべきではないでしょうか。稲本に中盤の底でバランス取りの役割を委ねるのは、正直不安。もちろん、攻撃力と決定力は期待してますが。 ミッドフィルダー(2.5列目):遠藤保仁(ガンバ大阪) 5.5点 *あまり印象に残らなかったのが正直なところ。効果的なプレーは少なかった気がします。ゴール前を固めた相手に対して、得意のミドルシュートが炸裂するシーンを見たかったのですが。 ミッドフィルダー(2列目):中田英寿(ボローニャ) 5.5点 *流石のプレーもあったが、大黒柱としては物足らない印象。途中からどんどんプレーゾーンが低く下がってしまって、あれではFWとの距離も空いて中盤スクエア型4-4-2が機能しません。ボローニャでやっているポジション(中盤底からのゲームメイク)が現在のプレースタイルと、結論づけるべきかもしれません。 ミッドフィルダー(2列目):中村俊輔(レッジーナ) 5.0点 *絶対決めなくてはならないPKの失敗ばかりか、後半には久保のヘッドでの折り返しをゴール前数メートルの所でフカして(ゴール上に外して)しまう。セットプレーのキックも酷く、スタメンする状態にはなかったと思われます。久保のゴールに繋がる「アシスト」(相手クリアボールが足に当たったラッキー)があったので、お情け採点。 フォワード:柳沢敦(サンプドリア) 4.5点 *持ち味の動き出しの速さも、効果的な場面を生み出さず。前半だけで交替。 フォワード:高原直泰(ハンブルガー) 5.0点 *いかんせんシュートなさ過ぎ。相手に脅威を与えるほどの存在感もない感じ。ボールを受けに下がって来すぎ。2000年のシドニー・オリンピック頃から2002年初め辺りまでが、国際舞台における高原のピークだったのでしょうか? 途中出場:久保竜彦(横浜F・マリノス) 7.0点 *柳沢に替わって後半初めから出場。ラッキーとはいえ、決勝ゴールでチームを救いました。他の場面でも、FWらしい積極的なプレー。もうちょっと早く決めてくれれば、胃の痛い思いをしないで済んだのですが。 途中出場:小笠原満男(鹿島アントラーズ) 6.0点 *遠藤保仁に替わって後半半ばに出場。いくつかのチャンス演出に絡んだものの、シュートミスもあったり、途中で消えた印象のある時間帯も。もっと、試合を決めるような働きをお願いします。 途中出場:鈴木隆行(ゾルダー) <採点なし> *高原に替わって試合終盤に出場。短いプレー時間でしたが、ある意味泥臭いプレーができる鈴木は、こういった試合にはスタメン起用してもよかったのではないかと感じました。 ジーコ監督 5.5点 *選手交替は不的確でもなかったと思うので、この採点。ただし、小笠原を投入する時に遠藤保仁を下げた場面は、中盤の底の守備とバランスはどうするのだろうと不安になりました。ただし、スタメンのセレクションについては、コンディションのよくない選手を起用したり、大いに疑問。それにも増して、チームづくりは、ほとんどイチからやり直しの印象。心配していたとおり、これまでのツケが一気に露になった感じ。 試合内容 5.0点 *オマーンのゲームプランどおりに試合を遂行してしまって、ひとことで言って、酷い内容。必要最低限の結果だけ得た試合。いかにチームの力量の差があっても、すべてこうした重い厳しい試合になるのがワールドカップ予選。 さて、第2戦は3月31日にアウェイでのシンガポール戦です。勝利はもちろん、得失点差を優位にするために、大量点が求められます。この試合でチームの立て直しが見られなかったりしたら、監督交替を真剣に考えるべきと思うのですが…皆さんはいかがでしょうか。 3月31日のシンガポール戦の前には、U-23のアテネ・オリンピックのアジア最終予選もあります。さて、どんな結末が待ち構えていることやら。(2004.2.20) |