ワールドカップ最終予選の動向&いよいよ決勝トーナメントに突入するACL

9月10日にはワールドカップ・アジア最終予選の第2節が行われました。前回書いたように、この日は日本は試合なし。

私は夜中から試合を追っかけましたよ。

まずはウズベキスタンVSオーストラリア。初戦をアウェイで落としているウズベキスタンがホームでどんな戦いをするかと注目していたが(日本の次の対戦相手だし)…う〜ん、簡単にセットプレーから先制を許し、後半はオーストラリアの動きがバッタリ落ちたのでかなり試合を支配したけども最後のアイディアなりキレがなく、惜しかったのは1回くらいかなー。というわけでアウェイのオーストラリアが1-0で勝点3ポイントをゲットした。

日本にしてみれば早めにオーストラリアとの「2強」の展開に持ち込めたほうが楽なので、ウズベキスタンの2連敗は都合がよいかもしれない。

ただ、次が日本ホームの試合で、アウェイのウズベキスタンからすればここで勝てればまだチャンスがあるわけで、2連敗の相手だからといって簡単ではなく、むしろ難しい一戦になるだろう。

ホームだから勝たなくてはならないということを意識し過ぎず、ウズベキスタンは勝ちにくるはずだからそれをいなして、着実に先制点を奪いたいところだ。

充分に勝てますよ。もっともウズベキスタンはヨーロッパの香りするチームで、試合巧者の部分が出てくると厄介なことになる。

焦らずに戦おう。

それと、ウズベキスタンは左サイドからの組み立てがよいようなので、右サイドバックを(守備面では軽い)内田で行くのか、別の選手を使うのか…内田の攻撃力をプッシュして押し込む戦略をとるのか…それは監督をはじめとするスタッフの分析能力と判断だ。

ところで右サイドバックといえば、ドイツ・ワールドカップにも出場して、少し前に「代表引退」を表明したガンバ大阪の加地が、Jリーグの試合を見ているといいね。

前よりも積極性も出ているように感じられる。もっともクロスの種類は相変わらず増えてないし、精度もそんなに向上しているとは思えないが。ただ、内田よりも劣るとは全然思えない、というか現状では普通に加地のほうが安定感がある。

ついでに、なんで代表で使わないのか? という選手をもう1人あげると、左サイドバックの鹿島アントラーズの新井場だ。

元々攻撃力には定評があったが、最近は守備面でも充実しているし、アントラーズの攻守のキーマンになってきている。シュート力もあるしトリッキーなスキルフルなプレーも多くなっている。

長友よりこっちは完全に上だな。

話を戻そう。日本と同グループではもう一戦、カタールVSバーレーンが行われ、1-1のドローに終わった。カタールのホームであったのだがバーレーンはドローに持ち込み2連敗を免れた。ここで2連敗してバーレーンが消えていくのもよかったかもしれないが、初戦で勝点3ポイントを獲得しているカタールが突っ走るのは避けたかったので、まあ望ましい結果ではないだろうか。

カタールは初戦のウズベキスタン戦でパワフルな3ゴールをあげていたが、組織的に崩してくるわけでは全然なく前線の3人だけでシュートまで持ち込んでくるので、対策と対応を普通にしっかりやれば、もしゴールを奪われても1点だろう。充分に勝てます。

11月にはカタールでのアウェイ戦があるけれども、先日のバーレーン戦のような戦い方…コンディションを整えて、前線からプレッシャーをかけて押し込み、日本の速いボール回しで揺さぶる、崩すまで至らなくても揺さぶってセットプレーを得る…守備面では左右両サイドバックの攻め上がりをやや抑え気味にして、サイドバックの上がった裏を突いてこうようとする(ここにロングボールを放り込んでくる)のでスペースを与えないように注意する…という戦い方で行けるんじゃないかな。

ま、とにかく次の10月15日のホーム(埼玉スタジアム)でのウズベキスタン戦だな。これをキッチリ勝ちきろう。

ところで、日本時間で日曜日の早朝3:30からオンエアされた先日のバーレーン戦だが、地上波TV(テレビ朝日系)の視聴率は8.8%とかだったらしい。

NHK-BSでもオンエアしていたので、そっちで観ていた人も多いだろう(私もそうだ。テレビ朝日の放送はぶっちゃけ特に評判が悪い)。

事前にTV局を越えた煽りも露出もあまりなかったので、結構高い視聴率ではないかな。

2005年6月のコンフェデレーションズ・カップの日本VSブラジルがこの時間帯では脅威の12.6%をタタキ出したことがあったが、あの時は直前にアジア最終予選の連戦があって(しかもそこで出場権を獲得して)さらにコンフェデのグループリーグも2戦を消化していた(ブラジル戦がグループリーグ最終戦)という具合のよいシチュエーションでもあった。だから人気に陰りがあるとは思えんなあ、わざわざ大手一般紙が「人気に陰り」なんて記事を先週デカデカ掲載していたけど、そんな記事を今ごろ掲載する意図がわからん。

ただ、ここから先は情報を持っていないのだが、視聴者の構成がどうだったかは気になる。

2005年の12.6%の時は「F2世代」が視聴者構成的に一番多かった。それが今回はどうなのか、そっちが気になるね。

ACL(アジアチャンピオンズリーグ)


いよいよ9月17日からACLの決勝トーナメントが始まる。日本のクラブは、浦和レッズが前年チャンピオンとしてグループステージをシードなので決勝トーナメントから出場、グループステージを突破した鹿島アントラーズとガンバ大阪と、8チーム中3チームを占める。

是非とも昨年のように、日本のチームが優勝して12月に日本で開催される「クラブワールドカップ」に出場して欲しい。

*「クラブワールドカップ」は来年と再来年はUAEで開催。その後2011年・12年は再び日本で開催することが決定済み。

いや〜昨年は燃えたよ。

浦和レッズと川崎フロンターレが決勝トーナメントへ勝ち進んで、フロンターレはPK負けで姿を消してしまったのでセミファイナル(準決勝)とファイナル(決勝)の戦いは、まじで注視しレッズを応援していた。

応援というよりも願いだな。どうしても日本のチームに優勝して欲しかったかならね。

是非今年もそうなることを願っているのだが…、
ここのところのJリーグの試合を観ていると、ヤバそうじゃないか。


レッズは、昨年もそうだったのだが、相手にボールをポゼッションさせ過ぎで、はっきり言ってつまらんフットボールだし、ボコボコにやられるのをギリギリで凌ぐような戦い方。Jリーグでも。そして攻撃は前の数人にお任せ、って感じだ。なんでこんなフットボールしかしないできない(?)のか不思議で仕方がない。日本を代表するビッグクラブの1つがね。

これを変えないと、たとえアジアでは勝てても世界では伸びシロがないよな。

それも昨年はポンテが元気だったし、なにしろワシントンがいた。ワシントンがボールをキープしてくれ、ボール失わないで、ほぼ一人でフィニッシュに持って行ってくれていた。そのワシントンがいないのだから攻撃力だって落ちている。レッズのスタッフもサポーターもわかっているはずだ。だが、連戦連戦で変革していく時間もゆとりもない。

もう少し先、今の選手層が若返っていくタイミングしか変革の機会はないかもしれないね。

ガンバは、バレーがUAEのチームに引き抜かれた(はっきり言ってお金です!)のが、誰も予測していなかったくらいにこんなにも大きかった。

なにしろバレーがいなくなってからJリーグでもカップ戦(ナビスコカップ)でも全然勝てなくなってしまった(10試合勝ちなし)。

バレーの前にはマグノ・アウベスをやはり中東のサウジアラビアのクラブに引き抜かれているし、ガンバは日本の他のチームがブラジルから呼んできた(獲得した)選手で使える選手を国内移籍させる形で獲得して、それは非常に上手い方法だが、そういう方法を続けてきたので、その中心の駒が突然いなくなると修正や対応が効かないのかな。

リスクマネジメントとしても、そのような獲得方法の功罪というのは確かにあるよね。

一人でもボールを預ければキープしてくれ、ドリブルしてくれ、遠めからでもフィニッシュまで持って行ってくれる…マグノ・アウベスみたいに周囲の日本人を生かすこともやってくれれば、そりゃあそんな選手はありがたいよな。

バレーが急にいなくなったからと言ってもシーズン途中では、バレー並み、マグノ・アウベス並みの選手はそうそう他のJリーグのチームから獲得できんだろう。

残るはアントラーズだが、確かに一番安定しているのだが、これまたフォワードのマルキーニョスが非常に充実しているので(ガンバは今度はマルキーニョス獲得交渉するか?とっても欲しいタイプの選手のはず。…冗談)常識的には期待は持てるが、マルキーニョスがコンディション不良に陥ったりケガをしたりすると暗雲だな。

ACLが入ると、選手もチームも非常に疲弊するのは過去の例が示しているとおりだ。

よく元サッカー選手のコメンテーターがTVなどで「試合数を考えれば(Jリーグ・カップ戦・ACLあわせて年間50試合以上60試合前後。代表に選出されていればこれがさらに増える)これくらいはヨーロッパのクラブでは普通」みたいなことをシャラ〜と言っているが、

アジアサッカー連盟(AFC)の場合は極めて異常で特殊だということをスコーンと抜かしている。

一体どれだけ移動の負担が大きいと思っているんだ。一度遠征したら地球一周みたいなもんじゃないか。ヨーロッパサッカー連盟(UEFA)の場合は北海道から沖縄くらいなもんだぜ。そこのところをすっ飛ばかして安易に語ってはイカンよな。

ともかく、そのような心配な3チームではあるが、日本のクラブチーム同士の決勝戦になることを希望していますよ。

そして、これら3チームがACLを戦う中でJリーグの優勝争いがどうなっていくのかも非常に面白い。昨日(9月13日)終了時点で、勝点4ポイント差の中に5チームがひしめき合っている。名古屋グランパス、鹿島アントラーズ、浦和レッズ、大分トニリータ、川崎フロンターレ、この5チームのグループと他チームとは既に開きがあり、この中で優勝が争われることはもう間違いなかろう。

(2008/9/14)